「既成概念に縛られない、夢を持った挑戦をする」北海道日本ハムファイターズの強さの秘密とは?
ダルビッシュ有、大谷翔平ら、スター選手を次々と輩出してきたプロ野球チーム「北海道日本ハムファイターズ」。2004年に本拠地を東京から北海道に移してからの、15年間の軌跡を追ったドキュメンタリー映画『FIGHTERS THE MOVIE ~Challenge with Dream~』が、2月15日より公開中だ。“既成概念に縛られない、夢を持った挑戦をする”という心意気で、日本のプロ野球界に影響を与えてきた同球団の強さの秘密はどこにあるのだろうか?
“スカウティングと育成”でチームを強くする
前述したダルビッシュ、大谷という、アメリカのメジャーリーグ(以下、MLB)でもバリバリ活躍する選手を輩出してきたが、同球団の印象について多くのファンが口をそろえて言うのは“選手育成がうまい球団”ということ。まさに同球団のチーム強化における大きな指針が“スカウティングと育成”なのだ。
スカウトたちがすばらしい選手を日本全国から見つけ出すことは他の球団も変わらないが、毎年10月に行われるプロ野球ドラフト会議で、その年のNo.1の選手を指名するというのがファイターズの特徴。これは06年に導入したベースボール・オペレーション・システム(以下、BOS)に基づいている。BOSは映画『マネーボール』(11)でブラッド・ピットが演じた、MLBのオークランド・アスレチックスのビリー・ビーンGMが導入したセイバーメトリクスを参考に、選手の能力を数値化するもので、これは試合における選手の起用など、あらゆる戦術にも応用される。
でも、いざ獲得した選手も実際に戦力にならなければチームの底上げにはつながらない。そこでファイターズでは、高校を卒業したばかりの入団1年目の選手でも、2軍であるイースタン・リーグの試合に積極的に出場させることで経験を積ませ、選手たちは1軍レベルの力を身につけていく。
実際に、昨年はイースタンリーグの開幕戦で、ドラフト4位入団の難波侑平選手が先発出場し、一昨年も同じく開幕戦でドラフト9位入団の今井順之助選手が出場。今井選手はシーズン終盤の10月に1軍の試合に出場すると、初打席でヒットを放ち、打点も記録するなど、イースタン・リーグでの経験を生かしてみせた。