東京へは通行手形が必須、踏み絵は草加せんべい…これが“ダ埼玉”のイメージだ!?【画像14点】
「ダサい」「なにもない」など、なにかとネガティブなイメージで揶揄されがちな県…埼玉。近年では、大宮や浦和が「住みたい街ランキング」でトップ10に入っているにも関わらず、依然としてなぜかディスられてしまっているのだが、そんな埼玉のイメージを“超デフォルメ”して描いているのが『翔んで埼玉』(2月22日公開)だ。
本作は、タモリが生み出した造語「ダ埼玉(ださいたま)」や、さいたまんぞうのコミックソング「なぜか埼玉」など、“埼玉ディス”が興隆し出した1980年代初頭に、「パタリロ!」で知られる漫画家・魔夜峰央が手掛けた同名短編を映画化。まさかの原作者が本編開始前に登場して、前もって埼玉県民に謝りを入れておくなど、とにかくやる気満々で、冒頭から怒涛のディスラッシュ!
例えば、主人公の百美(二階堂ふみ)ら東京都民が通う白鵬堂学院。この学校では、どれだけ都会的な環境で生活しているかが重要な指標となっており、自宅が赤坂ならA組、八王子はE組(ナチュラルにディス!)などと、クラスが分けられている。そして、元埼玉県民が集められたのが“Z組”。「埼玉なんて言っているだけで、口が埼玉になるわ!」と侮蔑されており、校舎の外に設置された超ボロボロの掘っ立て小屋が教室の彼らは、体調不良でも医務室を使うことを許されておらず「そこらへんの草でも食わせておけ!埼玉県民ならそれで治る!」と言われてしまう始末なのだ。(のちに埼玉には医者がおらず、いまだに祈祷師頼みであることが判明…)
また、通行手形がないと東京に入ることを許されていない埼玉県民。都民に紛れ込んだ人を捕らえる特殊部隊も存在し、県民かどうかを判別する踏み絵として、県鳥シラコバトが描かれた草加せんべいが用いられるという名産品いじりから、県民の悲願は海を持つことで、海水を引くために大洗を目指し地下にトンネルを掘り進めたなどという“海なし”の地形をいじったギャグまで、ありとあらゆるものがネタにされているのだ。
さらに、揶揄の対象は埼玉だけにとどまらず…。東京、神奈川に次ぐ関東三番手争いのライバル千葉は、ピーナッツや地引網漁をネタにされ、茨城は粘っこく腐った大豆を好む地域、そして群馬は未確認生物が生息する未開の地として描かれるなど、東京からの他県に対するイメージ(?)が、徹底的にネタとして盛り込まれているのだ。
今回紹介したのは、ほんの一部でしかなく、まあよくもこんなに思いつくもんだと感心してしまうほどの埼玉いじりが次々と登場する本作。おもしろおかしく描写された姿を県民の方はもちろん、他県の人もぜひスクリーンでチェックして、(寛大な気持ちで)バカ笑いしてほしい!
文/トライワークス