【今週の☆☆☆】女性ヒーローの記憶を巡る『キャプテン・マーベル』、2人の女王の物語『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』など週末観るならこの3本!
Movie Walkerスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画。3月15日(金)から今週末へかけてチェックしておきたい、MCU初の女性ヒーロー作品、若手演技派が演じる2人の女王の物語、豪華スター共演のサスペンスなど、バラエティ豊かな作品をピックアップ!
女性だからこその葛藤やチャレンジ精神に裏打ちされたヒーロー誕生譚『キャプテン・マーベル』(3月15日公開)
全世界待望のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の最新作にして、シリーズ初の単独女性ヒーローがついに登場。記憶を失った代償に強大な力を得た女性戦士、キャプテン・マーベル。彼女の失われた“記憶”を巡り、銀河から地球へと至る宇宙規模の戦いが繰り広げられる。“記憶”を巡るクリー人、スクラル人、そして地球人という3つの種族が絡む戦いには、これまでのMCU作品にはなかったミステリアスな展開が用意されており、そこに女性だからこその葛藤やチャレンジ精神に裏打ちされたヒーロー誕生譚が重なっていく。MCUが満を持して送る、初の単独女性ヒーローを冠する映画としてのこだわりを、ぜひ劇場で感じ取ってほしい。(映画ライター・石井誠)
これまでの伝記・歴史ものとは一味違う新鮮さが漂う『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』(3月15日公開)
16世紀の英国を舞台に、出戻りスコットランド女王メアリー・スチュアートと、イングランド女王エリザベスⅠ世の、波乱万丈な人生を描く。生後6日でスコットランド女王に、16歳でフランス王妃となったメアリーは、夫を亡くし18歳で帰国。王位に戻るも、故郷は今やイングランドの支配下にあり…。メアリーに『レディ・バード』(17)『ブルックリン』(15)のシアーシャ・ローナン、エリザベスに『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』(17)のマーゴット・ロビー。共にアカデミー賞ノミネート女優の本領を発揮し、一見、敵対しながらも、女王という孤独や懊悩をにじませ、実は最も理解し合っていた、その複雑な関係や愛憎を見事に浮かび上がらせる。権力を狙う男どもに翻弄されつつ、果敢に己を通して生き抜こうとする女王2人の姿に、これまでの伝記・歴史ものとは一味違う新鮮さが漂う。(映画ライター・折田千鶴子)
賛否両論必至の大胆な“トリック”に愕然とさせられる『セレニティー:平穏の海』(Netflix配信中)
マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェイソン・クラーク、ダイアン・レインというハリウッドの主演級スターが、Netflixオリジナル映画で豪華共演。南の島で気ままな人生を送っている釣り船の船長の前に元妻が現れ、現在の暴力的な夫の殺害を依頼してくる。そんなノワール調の物語が陽光まばゆい港町で展開していくユニークな犯罪劇なのだが、終盤にはその世界観を根底から覆す大どんでん返しが炸裂する。すべてはイラク帰還兵らしき主人公の妄想なのか、それとも…!?マコノヒーが完璧なはまり役でアウトローな酔いどれ船長を演じ、珍しく髪をブロンドに染めたハサウェイは妖艶な魅力を発揮。それ以上に『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』(13)のスティーヴン・ナイト監督が仕掛けた賛否両論必至の大胆な“トリック”に愕然とさせられる一作だ。(映画ライター・高橋諭治)
…
週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!
構成/トライワークス