全員怪しい!絢爛豪華な屋敷にうず巻く嫉妬に憎悪…某大富豪一家のクセが強すぎっ
「オリエント急行殺人事件」「そして誰もいなくなった」など、ミステリーの女王として知られる作家アガサ・クリスティー。彼女自らが最高傑作と太鼓判を押した小説を映画化した『アガサ・クリスティー ねじれた家』が、4月19日(金)より公開となる。
1949年に発表された長編「ねじれた家」を、約70年という時を経て、初めて映画化した本作。巨万の富を築き上げた大富豪レオニデスが何者かに毒殺されたことをきっかけに、その孫娘ソフィアから依頼を受けた私立探偵のチャールズが事件の真相を暴くために、遺産を巡り疑惑と嫉妬をぶつけあう“心のねじれた”家族たちの住む豪邸で捜査を進めていくという物語。
本作で目を引くのが、一族たちの鮮烈なキャラクター。アガサ作品といえばエルキュール・ポアロ、ミス・マープルといった印象的な探偵が多く登場するが、本作では、ソフィアが「うちの家族は皆、神経を逆撫でするような異様な感性」と表現するように、探偵がくすむほど強烈な性格の持ち主ばかり。その個性を最大限に引き出しているのが、名優たちの怪演だ。
今年のアカデミー賞でも話題となったグレン・クローズ演じる、レオニデスの前妻の姉イーディスは、ショットガンを片手にチャールズの前に登場し「モグラ駆除の方法は色々あるけど、私の気分はコレ」と物騒なことを平然と言い放つ初対面にふさわしくない挨拶をお見舞い。レオニデスの死についても「ソフィアは一族の者の仕業だと言っているけど、そうだとしたらドラマチックね」と、状況を楽しむような不敵な笑みを浮かべ、怪しさがムンムン…。
「X-ファイル」シリーズのダナ・スカリー役で知られるジリアン・アンダーソンが扮するのは、レオニデスの長男の妻で女優のマグダ。昼間から酒に溺れ、いちいち言動が芝居がかったちょっぴりイタい人物だ。さらにレオニデスの2人の息子たちも、一人は不機嫌で攻撃的で嫌味をチクりと言い放ち、一人は温厚かと思いきや突如ぶちぎれるという不安定な情緒だったりと、とにかくクセがすごい人物ばかりで、全員怪しすぎるのだ。
思わず探偵に同情したくなるほど厄介者が勢ぞろいのレオニデス一族。果たして誰が一家の主人を殺したのか?名優たちの演技アンサンブルに惑い酔いしれながら、その真相に行き着いてほしい!
文/トライワークス