吹奏楽部のリアルな風景に思わず共感!「響け!ユーフォニアム」に引き込まれる理由とは?
吹奏楽経験者なら共感必至の部活あるある
吹奏楽部といえば、放課後の校舎に響く練習の音を聴いた経験があるという人も多いだろう。本作でもそうしたリアルな日常を細やかに描き出しており、パートごとに分かれての練習やコンクール出場メンバーを決める「オーディション」、文化部にしてはハードな体力づくりなど、実際に吹奏楽部の活動を追いながらストーリーが展開していく。経験者は「あるある!」と共感できるはずだ。
高校生独特の人間関係の描き方
そして、高校生の部活動を描いた作品として着目したいのが「人間関係」だ。久美子を中心とする1年生同士の友情はもちろん、抜群の演奏技術を持ちながらもマイペースで部になじもうとしない麗奈、そんな麗奈の態度をよく思わない上級生…など、部活動によくある上下関係を下敷きにした人間ドラマも繰り広げられる。こうした各キャラクターの感情の動きが時に大きな衝突を生むこともあるが、それらのストーリーを丁寧に表現することで絆の深まりや友情の再確認を無理なくリアルに描ききっている。
作画や音楽のクオリティ、そして描かれるストーリーの繊細でリアルな質感。これらが「響け!ユーフォニアム」がファンを引き込んでいく要素だと言えるだろう。2年生になった久美子たちや新入生との物語が描かれる、最新作『劇場版 響け! ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』では、彼女たちの成長していく姿を見守ってほしい。
文/藤堂真衣
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