池田エライザ&宮沢氷魚、浜辺美波の振り切った演技に「うらやましい!」
シリーズ累計500万部突破の人気コミックを映像化した『映画 賭ケグルイ』(5月3日公開)。主演の浜辺美波をはじめ、キャスト陣の振り切った演技も話題となったドラマ版「season1」「season2」を経てスクリーンにお目見えする劇場版だが、劇中でカリスマ性あふれるキャラクターとして輝きを放っているのが、池田エライザ扮する生徒会長の桃喰綺羅莉(ももばみ・きらり)と、映画オリジナルキャラクターで、宮沢氷魚演じる村雨天音(むらさめあまね)だ。浜辺は「『賭ケグルイ』の世界をお二人が一層盛り上げ、引き締めてくれた」と感謝。池田と宮沢は、「ものすごく高揚感があった」と充実の表情を見せるなど、熱気あふれる撮影現場に飛び込んだ3人に舞台裏を語ってもらった。
“ギャンブルの強さ”のみが自身の階級を決める私立百花王学園を舞台に、謎多きJKギャンブラー蛇喰夢子(じゃばみゆめこ)の壮絶なギャンブルバトルを描く本シリーズ。劇場版では、原作者の河村ほむらが原案・監修として参加し、綺羅莉率いる生徒会に挑む夢子たちに対し、“非ギャンブル、生徒会への不服従”を謳う反生徒会組織「ヴィレッジ」の存在が明らかとなる。
浜辺美波、池田エライザの銀髪ツインテールに「最高!」
ーー存在がベールに包まれていた生徒会長ですが、ついにドラマ版「season2」から視聴者の前に姿を現しました。浜辺さんは、「生徒会長役が池田さんだ」と聞いてどのように思われましたか?また池田さんは原作ファンだったそうですが、抜てきされた時の感想を教えてください。
浜辺「『誰が生徒会長役をやるんだろう』とずっと思っていたんです。銀髪姿が似合う人もなかなか想像ができなかったのですが、池田さんだと聞いて、ものすごくぴったりだと思いました。ミステリアスな雰囲気があって、女王様感も出せる。なによりあの椅子、あそこの場所が似合うのは池田さんだけだなと思いました。衣装を着た池田さんと対峙した時は、生徒会長の迫力を感じて『最高だな!』と思ったんです」。
池田「うれしいです。実はオファーの連絡をいただいたのが、撮影ギリギリだったんです。事務所の方からも『明日が衣装合わせだから』って(笑)。原作も大好きで、ドラマも観ていましたし、いちファンとして観ている時は『生徒会長、誰がやるんだろう?』と私も思っていて。まさか自分だとは思わなかったので驚きましたが、とにかく原作へのリスペクトを込めて、自分が好きな生徒会長像を作れたらいいなと思っていました」。
宮沢氷魚、浜辺美波の目力に「怖い…」迫力に驚き!
ーーそして劇場版のオリジナルキャラクターとして、「ヴィレッジ」を主宰する村雨が登場します。
浜辺「村雨さんは原作にいないキャラクターで、脚本を読んだ時点では、男性か女性かもわからないくらいでした。でも現場で宮沢さんにお会いして、オーラを感じたというか。英(勉)監督は、宮沢さんのシーンを撮っている時はずっと『日本映画じゃないみたいだ』とおっしゃっていました。そこにいらっしゃるだけで様になるんです。しかもほかのキャラクターとは違って、静かで落ち着いたキャラクター。夢子としてはどう揺さぶってやろうかと思っていました。夢子を演じていると、相手と対峙する時に敵対心が出てくるんです(笑)」。
宮沢「いやあ、怖かったですよ(苦笑)。撮影が始まると、目力がすごくて。夢子にはものすごい存在感があるんです。でも村雨としてはそれに負けてはダメなので、にらみ返してたりしていました。村雨役に選んでいただいてすごく光栄だったんですが、原作にいないキャラクターなので不安もありました。原作ファンの方もたくさんいらっしゃるし、果たして受け入れてもらえるのだろうか…と。英監督からは『とにかくかっこいい村雨をやってください!』と、その一点張りです(笑)。セリフも少ないので、雰囲気や佇まいで伝えられたらと、自分なりに頑張って“かっこいい村雨”を作り上げました」。
「賭ケグルイ」は魂を削る現場!アドリブで笑わせてくる人とは?
ーー熱気にあふれた作品ですが、池田さん、宮沢さんが演じたのは、 “静の迫力”を担う役どころでもあります。現場に飛び込んでみていかがでしたか?
池田「私は、振り切った演技をしているみんなが、ものすごくうらやましかったです。英組は、誰もが振り切った演技に挑戦して、さらにその先へと連れて行ってくれるようなチーム。綺羅莉は上から見下ろすようにみんなのことを見ている役柄なので、特等席に座っている感じなんです。ちょっとバラエティやお笑い番組を観ているような気持ちにもなってきて、個性的なキャラクターたちを見ているのが、すごくおもしろかったです(笑)。私もああいうこと、やりたかったなー!って」。
宮沢「完全に同じです!僕は矢本(悠馬)くんが演じている木渡役が大好きなんですが、矢本くんはアドリブをすごい入れてくるんですよ。『ぶっ飛んでるな!』と思って、笑ってしまいそうになる瞬間もありました。とにかく現場は熱気にあふれていて、ギャンブルのシーンも本当に戦っているような感覚に陥りました」。
池田「見ていて魂が震えるような瞬間が、何度もあったんです。若い世代の役者さんが、身を削りながら本番にかけている。ものすごくかっこいいし、誇らしいことだなと思った。手を抜いている人が誰もいないし、劇場版はその集大成のような作品。うちの生徒会の子たちも、みんなとても頑張っていました」。
浜辺「身を削る…確かにそうですね。テスト、段取りもみんな全力でやりますが、本番にはさらに全力を出そう、出し切ろうとする熱があると思います。とにかくよりよいものを作ろうと、本気をぶつけてくる。倒れてしまうのではないかというくらい集中して本番に臨んでいるので、『みんな、すごいな』と思うことばかりですし、いつも刺激を受けています」。
ーー夢子、綺羅莉、村雨の3人は、自身のモットーを持ち、カリスマ性にあふれたキャラクターです。演じたお三方もいろいろなことにチャレンジされていますが、お仕事に挑むうえでモットーとしていることはありますか?
浜辺「私は初心を忘れないことを大事にしています。『いまできることは、いましかできない』と感じるので、できる限り頑張りたいです。この春に高校を卒業したので、より一層、責任感を持ってお仕事をしていきたいですね。これまでは学校に行って、現場に行ってと、せわしないところもあったので、なんだか気が楽になった部分もあるんです。お仕事に集中しやすい環境になったので、うれしいなと思っています」。
池田「忙しくしていると、誰もが盲目になってしまう節があると思うんですが、『自分がなにを発しているのか、いまいる環境でどのようなものづくりをすべきなのか』を常に考えていたいと思っています。時代は様変わりするし、その中で流されてしまうことは簡単だけれど、私は楽なことはしたくないなと。自分が表現する“核”を、きちんと説明できる人になりたいです」。
宮沢「どの現場も『これが最初で最後だ』と、気持ちを引き締めていたいです。よく打ち上げなどで『またこのメンバーでやりたいですね』と話しますが、実現することってなかなかないと思うんです。ましてやまったく同じメンバーとなると、それはおそらく2度とないこと。どの作品、どの仕事であっても、このメンバーでできるのは最初で最後なんだということを忘れず、これからもやっていきたいです。『映画 賭ケグルイ』が初めての映画出演で、本当にすばらしい経験になりました」。
池田「初めてがこの作品なんて、すごい濃さ!」
浜辺「濃すぎますね!(笑)」
取材・文/成田 おり枝