これから公開の新作映画、主演ギャラの1位は意外な俳優!?
俳優・女優を合わせた総合ランキングで首位を獲得したのは意外なようで納得、「デッドプール」シリーズで人気のライアン・レイノルズ。と言っても“俺ちゃん”役のギャラではなく、Netflixのオリジナル映画『6アンダーグラウンド』の出演料だという。製作費1億5000万ドル(約163億8600万円)のアクション大作とのことで、主演のレイノルズの出演料は、2700万ドル(約29億5000万円)。ネット配信といえど、旧来の一般映画顔負けの規模は常識になりつつあるようだ。
実は『6アンダーグラウンド』で主演オファーをされていたのは、オスカー俳優のデンゼル・ワシントンだった。3000万ドル(約33億円)のギャラが提示されていたが、デンゼルは別の企画に惚れ込んでいたため、本作のオファーを断ったという。棚ぼた式で首位となったライアンだが、それでもデンゼルに予定されていたよりも安い出演料だったことには驚かされる。
Netflix勢の下克上は他にもある。17年のNetflixオリジナル映画『ブライト』で主役を演じ、続編でも主演が決定しているウィル・スミスだ。続編でのウィルのギャラは何と3500万ドル(約38億円)になると言われており、近々トップの座も塗り替えられることになるだろう。
現時点での出演料第2位はNetflix作品ではなく、『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(8月2日公開) で、主演を務めるドウェイン・ジョンソンの2000万ドル(約21億8000万円)。同じく2位は、児童文学「ドリトル先生航海記」の映画版に主演するロバート・ダウニー・Jr.で、ギャラはドウェインと同額だという。
大ヒット映画の続編『Top Gun:Maverick』主演のトム・クルーズのギャラは、総合ランキング第6位。今作のトムの出演料は1200万ドルから1400万ドル(約13億~15億円)とのことで、1本あたりのギャラが2000万ドル(約22億円)だった90年代と比較すると、やや控えめな数字に落ち着いている。話題作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のW主演、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの出演料は、両者ともに1000万ドル(約10億9000万円)。ガル・ガドットと同額で、総合ランキングでは8位となった。
Netflix勢の羽振りのよさは今後も続きそうだが、最高額のギャラを袖にしたデンゼル・ワシントンのように、企画本位で出演作を選ぶ俳優の存在も頼もしい限り。メディアの多様化で映画産業の競争力が危ぶまれる一方、スターにとっては選択肢が増える好況とも言えそうだ。
UK在住/シャオ