柴犬とユルいムダ話が癖になる!?『柴公園』撮影秘話をキャストたちが語り合う|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
柴犬とユルいムダ話が癖になる!?『柴公園』撮影秘話をキャストたちが語り合う

インタビュー

柴犬とユルいムダ話が癖になる!?『柴公園』撮影秘話をキャストたちが語り合う

ワンちゃんたちと一緒だと、自然と笑みがあふれる!
ワンちゃんたちと一緒だと、自然と笑みがあふれる!撮影/黒羽政士

なんてことのない日常であっても、話すネタはたくさんある。それらを掬いとっては日々ムダ話を繰り広げていく、3人のおっさんたち。お互いの本名も素性も知らない彼らだが、柴犬の散歩で立ち寄る公園で顔を合わせるうち、いつしか〝微妙にして絶妙な距離感〟を築き上げていくのだった──。

渋川清彦、大西信満、ドロンズ石本と3匹の愛らしい柴犬たちによる〝ワンサンブル〟を描いたドラマ「柴公園」が、このほどスクリーンへ進出。その撮影に没頭した時間を、3人がダベリり尽くす!

【写真を見る】犬たちがいることで撮影現場が和むことも多かったという<写真12点>
【写真を見る】犬たちがいることで撮影現場が和むことも多かったという<写真12点>撮影/黒羽政士

「あらかじめ決めて芝居するというより、出たとこ勝負みたいな感じ」(大西)

──劇場版『柴公園』はドラマチックな展開もありながら、やはり主軸はお三方が愛犬を連れて公園でダベるシーンになっていますね。 

渋川清彦(以下、渋川)「とにかく『柴公園』はセリフが多いんですよ(笑)。しかも、柴犬たちが一緒にいるから、思わぬところでNGが出たりする。そういう意味では緊張もしましたし、単純に『噛んだらどうしよう』と不安になったりもして。でもね、犬がいると和むんですよ、俺は。目線があたる(渋川演じるあたるパパの愛犬の役名)にいったあと、一瞬でリラックスできたりもして。時々、犬たちが走りまわって現場が散らかることもあったけど、結果的には犬たちがいてくれて良かったなと思っています」    

大西信満(以下、大西)「僕の場合、ウチのじっちゃん(大西演じるじっちゃんパパの愛犬の役名)だけ芝居の経験がなかったわけです。いわゆるタレント犬のように訓練を受けてきた子じゃないので、カメラの向こうに何十人とスタッフがいるのを目にすると、固まっちゃったりして。ト書きに『ここで連れて歩く』と書いてあっても、結果的にできないというのが、わりと続いたので、ある時から考えるのをやめたんです。あらかじめ決めて芝居するというより、出たとこ勝負みたいな感じと言いますか…。それが結果として、よく映っていればいいんですけれどもね」 

ドロンズ石本(以下、石本)「このセリフは、あたるパパを見たほうがいい、ここはじっちゃんパパを見たほうがいいな…と思いながら、最初は覚えようとしていたんですけど、実際に犬たちがいると、そんなことは考えられなくなるんです。でも、僕の場合は最悪、犬を見たり撫でたりしながらセリフを思い出せばいいやっていうスタンスだったので、楽でした(笑)。犬が動くと、やっぱり目がいっちゃうんですけど、その“間”をうまく使えばいいんだって。そんなふうに思ったら、だいぶ気が楽になったんです」

互いに本名も知らないおじさんたちが公園でムダ話を繰り広げる
互いに本名も知らないおじさんたちが公園でムダ話を繰り広げる[c]2019「柴公園」製作委員会

「いまとなってはこの組み合わせ以外は考えられない」(渋川)

──そういう意味では、柴犬たちにかかる比重が大きい現場でもあったとも言えそうですね。

大西「僕の演じたじっちゃんパパというキャラクターは、じっちゃんと過ごすなかでああいう人物になっていったところがあるんです。自分で作ったというより、犬たちによってキャラが確立されたというのは、多分にあって。急にキレたりとかするのも、彼女(※じっちゃんはメス犬)に適応するためにそうなったんです。僕がやたらと抱っこをするのも、歩いてくれなかった時の苦肉の策だったり。じっちゃんに顔を埋めるのも、偶然の産物なんですよね」

渋川「ああ、確かに言われてみれば、それはあるかもしれないね」

大西「あると思うよ。もし…自分があたるの飼い主役で、KEEさん(=渋川)がじっちゃんの飼い主だったとしたら、それぞれのキャラ設定も全然違っていたはずで」

渋川「そっか…そうだよな」

石本「そうやって考えてみると、それぞれのワンちゃんとの組み合わせもピッタリだったなって思うんですよ。誰が決めたんだろう、この3人と3匹の組み合わせは?」 

渋川「確かに、いまとなってはこの組み合わせ以外は考えられない。石本さんが

、黒柴(じっちゃん)を連れているイメージはないですね」

石本「あ、やっぱり? 赤柴(=さちこ)ですよねぇえ(笑)」

渋川「大西も赤柴じゃないよ。黒柴っていう感じがする」

大西「ああ、そうなのかなあ」

渋川「うん。俺も赤(柴)だもん」 

石本「相性だってあるわけですし。そう思うと本当に見事なんですよ」

犬たちと過ごすことでキャラクターが確立されていった
犬たちと過ごすことでキャラクターが確立されていった撮影/黒羽政士

「柴犬たちが一緒にいてくれたおかげで、僕的にはいい感じの距離感になったんです」(ドロンズ石本)

──その組み合わせの妙は、お三方にも当てはまるのかな、と思ったりもしました。 

大西「実は撮影中、1度も3人で飲みに行かなかったんですよ。というか、分量がすごくて翌日も朝早いから、物理的に行けなかったんですけど(笑)。毎日、顔を合わせているのに飲んだことがない、その微妙な距離感みたいなものが、すごく今回の作品に合っていた気がします。親しくしゃべるんだけど、それ以上は立ち入らないという。そういう不思議な関係性が映像にも出ているんじゃないかなと」

石本「僕は、渋川さんと大西さんがもともと仲が良いことを知っていたし、役のイメージで最初は“怖い人たち”と思っていて(笑)。でも、それこそ柴犬たちが一緒にいてくれたおかげで、僕的にはいい感じの距離感になったんです。さちこパパという、ちょっと抜けている役柄にも助けられて、結果的に、ほぼプライベートと変わらない感じでお2人と接していました」  

渋川「たぶんね、犬とのペアだったから、それが可能だったと思うんですよ。猫だとまた全然違ってくるだろうから。というか、難しいんじゃないかな、猫が相手だと」 

大西「うん、猫は難しいだろうねえ」

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