柴犬とユルいムダ話が癖になる!?『柴公園』撮影秘話をキャストたちが語り合う
「現場って、それぞれが違うモノなんですよね」(渋川)
──話が前後してしまいますが、セリフが多い役を演じきった「柴公園」での経験が、別の現場で活きたということはありますか?
石本「それがですね、『柴公園』が終わってから次のドラマの撮影に入った時、『1日で14ページくらい覚えてたから、余裕だろう』と思って現場に行ってみたら、全然セリフが頭に入らなかったんですよ!」
渋川「そういうのあるよね、わかります」
石本「あ、わかってもらえます?」
渋川「あれだけ頭の中に多くのセリフを入れることができたんだから、次の現場は大丈夫だろうと思うんだけど、実際に現場に行くと全然関係ないんですよね、過去の現場経験って(笑)」
石本「そう、全然関係ないんですよ。僕ね、結構次の現場でNG出しちゃって。『あれ?俺、1日に14ページ覚えてたのになあ』って。でも、それが落とし穴だったというか、知らず知らずのうちに次の現場をナメて掛かっていたんだと思います。『柴公園』の分量を経験したから、自信がついたって勘違いしたというか…」
渋川「でもね、自信はついていたはずなんですよ、『柴公園』が終わった時点では。でも、現場って、それぞれが違うモノなんですよね。それをついつい忘れちゃう」
大西「確かに『やれば、できるんだ』っていう手応えは、瞬間的にですけど…感じることができたと思うんですよ。じっちゃんの名前の由来を話すシーンなんて、事前に100回言っても覚えられなかったのに、本番ではうまく言えて。で、『お~、やればできるんだな』って思いましたからね(笑)」
石本「僕がビックリしたのは、その日のセリフを覚えるのも必死なのに、大西さんが翌々日に撮るシーンのセリフを一生懸命覚えていたことですね。『あれ、これ今日のでしたっけ?』『いや、明後日です』『え、いまやってるの!?』『うん、やっておかないとね』『でも、今日のセリフも長くないですか?』『そっちは大丈夫です』って、2~3日後に撮るシーンのセリフも入れながら、目の前の芝居にも取り組んでいて。だから逆に、僕は開き直ったんです。明日の分は明日覚えるって(笑)」
渋川「集中力がすごいんだよ、石本さんは。逆に、俺らは不安で不安で、何日か前に少しでも(セリフが)入ってないとダメなんだよね」
大西「単純に分量だけじゃなくて、この作品は唐突にわけわからない話題に飛ぶのがクセモノなんですよ。基本的にセリフにはリズムがあって、理屈でなんとなく言えるものなんだけど、『柴公園』に関しては『なんで急にこんなことを言うんだろう?』ってなる。それもあって、覚えづらかったんですよね」
石本「そうそう、『そういえば、あれ知ってます?』みたいなことを言って、話題が急に切り替わるっていう(笑)。1対1で2人が会話する時はキャッチボールできるんですけど、3人になると『そういえば、こないだ…』みたいに、割って入るパターンが出てくるから、こんがらがるんですよね」
──ちなみに撮影が終わってから、皆さんで飲みには行かれたんですか?
石本「それが行ってないんですよね(※取材時)」
大西「打ち上げで飲んだぐらい」
渋川「俺と大西でも飲みに行ってないもんね」
石本「渋川さんは『柴公園』の後にすぐ舞台があったから、誘うの遠慮していたんですけど。ようやく舞台も終えられたし、大西さんとも共通の知り合いがいたから『飲みに行こう』っていう話にはなってたんですけど、まだ行けていなくて」
大西「なかなか3人の都合が合わないんです」
渋川「ということでね、そろそろ行けたらいいですよね(笑)」
文/平田真人 構成/編集部