あの実在のカルトキングも…シリアルキラーの“狂気の世界”を映画でのぞき見る?

コラム

あの実在のカルトキングも…シリアルキラーの“狂気の世界”を映画でのぞき見る?

実在の人物から架空のキャラクターまで、これまで数々の映画で題材として描かれ、強烈な存在感で観る者に恐怖を与えてきたてきた“シリアルキラー”たち。そんな連続殺人鬼が登場する作品が、この夏にかけて続けて公開される。

殺人現場が気になる…几帳面すぎるシリアルキラー

まず最初に登場するのが、本日6月14日より公開されている『ハウス・ジャック・ビルト』。『アンチクライスト』(09)など、物議を醸す作品を撮り続けているラース・フォン・トリアー監督による最新作で、カンヌ映画祭で上映された際には、途中退室者が続出した問題作だ。

シリアルキラーを題材にした映画が続々公開!(『ハウス・ジャック・ビルト』)
シリアルキラーを題材にした映画が続々公開!(『ハウス・ジャック・ビルト』)[c]2018 ZENTROPA ENTERTAINMENTS31,ZENTROPA SWEDEN,SLOT MACHINE,ZENTROPA FRANCE,ZENTROPA KOLN

建築士になる夢を持つ技師のジャック(マット・ディロン)が、あることをきっかけに殺しに没頭するようになってからの12年にも及ぶ殺しの軌跡を描く本作。殺すだけでは飽き足らず、遺体を使って写真を撮ったりと、芸術創作を楽しむかのように犯行を繰り返すジャックの狂気的な姿は、まさに鳥肌モノ…。加えて強迫性障害を持つ彼が、何度も殺害現場に戻り、血痕が付いていないかを確認するといったシュールな描写も散りばめられており、おぞましいのに思わず笑ってしまう何とも恐ろしく奇妙な1本となっている。

もしも隣人が連続殺人犯だったら…?

殺人鬼目線の『ハウス・ジャック・ビルト』とは対照的に、狙われる側からの視点で描かれているのが『サマー・オブ・84』(8月3日公開)。1984年のアメリカ郊外に住むオタク少年達が、近隣で発生した連続児童殺人事件の犯人が近くに住む警察官ではないかと疑い、独自に調査を始めるが…というホラー映画だ。

80年代のポップカルチャーへのオマージュもてんこ盛り(『サマー・オブ・84』)
80年代のポップカルチャーへのオマージュもてんこ盛り(『サマー・オブ・84』)2017 [c] Gunpowder & Sky, LLC

『13日の金曜日』(80)や『エルム街の悪夢』(84)など、数々の有名スラッシャー映画も誕生した、1980年代のアメリカに対するオマージュが込められており、どこか懐かしさを感じさせる本作。加えて少年達が主人公というジュブナイルものの微笑ましさもあるが、そんな無垢な心が打ち砕かれるエンディングの恐ろしさは、トラウマ級の衝撃だ…。

「シリアルキラー展2019」
日程:6月18日(火)〜7月11日(木)
会場:ヴァニラ画廊
入場料:2,000円
URL:https://www.vanilla-gallery.com/

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