若尾文子、浅野忠信らも絶賛!各界の識者19名から『よこがお』コメントが到着
●柳美里(劇作家・小説家)
「愛と嘘と復讐は、激しい感情を伴う。しかし、『よこがお』では、その感情の眼差しは、相手ではなく当人の顔を覆い尽くす。愛と復讐は顔の中に幽閉される。2人の女の顔から目が離せないサスペンス映画の傑作」
●瀬々敬久(映画監督)
「これまでも他者とのコミュニケーション不全と共同体の可能性を描き続けて来た深田監督。彼の新しい挑戦は、自己のうちに潜む他者性をあぶり出すことだったのではないのか。
よこがおは、決して自分では見えない。まるで違う誰かのように」
●若尾文子(女優)
「私に溝口監督や増村監督らとの出会いがあったように、素晴らしい監督との出会いは女優の命。最高の演技を引きだした監督と女優の気迫に嫉妬さえ覚えました」
●浅野忠信(俳優)
「深田監督の描く世界観にはいつも驚かされてますが今回もドキッとさせられました。池松壮亮さんの演技が好きでした」
●三浦瑠麗(国際政治学者)
「他者を受容する女、市子。事件は彼女の中に、能動性に満ちた“リサ”を生む。どん底のあの日、死にたいと思っても死ななかったからこそ、今この生がある。頬に吹く風があなたを癒す」
●ディーン・フジオカ(Actor、Musician)
「横顔の瞳が見つめる先に、悪い兆しを感じてしまう。スクリーン画面の外にあるはずの現実との境界線が曖昧になる。その横顔を見ている自分もまるで、気まぐれな罪と罰の天秤に懸けられているかのようで」
●吉田大八(映画監督)
「せっかく動物なのを忘れて人間のふりしてるのに、隠してたつもりの横顔がバレてしまっては元も子もありません。あるシーンで、『鳥肌を立てながら爆笑する』という稀有な体験をしました」
●デーブ・スペクター(放送プロデューサー)
「ワイドショーで取り上げるような事件でありながらもテレビではあり得ない内側のストーリーが斬新。同じ立場になったら自分ならどうするか。『よこがお』を見たらワイドショーの見方が変わる!」
●岩井志麻子(作家)
「人は誰でも場所や相手によって、顔を使い分けているものだけれど。真逆にある正反対の裏の顔、なんてものより恐ろしいのは、ふっと角度を変えるだけで別人になってしまう、本人にも思い描けない横顔だろう」
●村上淳(俳優)
「決してジャンルムービーではないはずだ。なのになぜだ。恐ろしくて仕方がない。人間の美しさが度を過ぎると僕がこの作品を見た感想、つまり怖いと感じるのだろうか。監督の演出。役者たちの佇まい。また映画館で見たくなる作品なことは間違いない」
●梅宮アンナ(タレント)
「衝撃的作品!!人間はここまでおかしくなれるのかと、狂気や恐怖すら感じる一本。数多くの映画を観てきましたが、斬新でした!日本映画特有のストーリー手法も要注目!!」
●深澤真紀(獨協大学特任教授・コラムニスト)
「なぜあの時、きちんと話さなかったんだろう。なぜあの時、あんなことを言ってしまったんだろう。何度悔やんでも、狂ってしまった歯車は戻せない。それでも私たちは、そこから歩き直していくしかないのだ」
●芦沢央(小説家)
「なんと強烈な音だろう。身がすくむほど切実な叫びなのに、決して上手く届かない。だからこそ、物語が閉じても耳から音が消えなかった」
●白石和彌(映画監督)
「スクリーンに映る市子の横顔と正面の顔と、いや、あらゆる角度の顔を凝視したのだけれど、その素顔を全く見た気がしない恐ろしい映画。覚えているのは筒井真理子さんがいかに美しいかということ。それはつまり、僕にとって途轍もなく美しい映画であったという事実」
●松原智恵子(女優)
「普通に善良に、そんなささやかに生きてきた幸せがどうして。やり場のない怒りや絶望感を主演の筒井さんが丁寧に演じられていて、とても見応えがありました」
●辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
「この作品で“横顔”の奥深さを知りました。たよりなげで愁いが漂うヒロインの横顔に惹きつけられます。どんな事件でも加害者側の“横顔”を想像することが、炎上しがちな世の中を変えるきっかけになると思いました」
●内田春菊(漫画家・作家)
「自分は悪くないのにひどい目に遇うことって確かにある。復讐したくもなる。でも『これが自分だったら?』と想像すると、恐ろしくて前に進めなくなる。この映画に手を引いてもらい、絶望の淵まで行って参りました」
●仲野太賀(俳優)
「声にならない絶叫は、本当の意味で誰かを傷つけない為の優しさに思えた。あまりにも理不尽で、あまりにも残酷。そんな現実を一身に背負いこんだ筒井さんが、圧倒的に美しい」
●濱口竜介(映画監督)
「極めて複雑な語りを淀みなく、残酷に語り切る胆力にまた驚かされた。この語りは主演・筒井真理子への深い信頼によって獲得されている。監督と役者の理想的な共同作業がここで見られる。同時代に生まれて、深田晃司の新作を見ずに済ませる理由は何もない」
文/編集部