藤原竜也と窪田正孝が『Diner』での共演を語る「竜也さんは“藤原竜也”という一つの俳優像を確立されている」
「師という設定で、蜷川さんの写真がダイナーに飾ってある。それはとても感慨深かった」(藤原)
ボンベロたち殺し屋を束ねる組織のトップ、デルモニコとして、写真で出演しているのは、蜷川実花監督の亡き父にして、藤原の師でもある演出家の蜷川幸雄だ。ボンベロがデルモニコの写真を見て「俺を見つけて育ててくれた」という台詞もあり、藤原は「とても意味深いシーン」だと感じたそうだ。「今回実花さんと縁があって、こういう映画を撮らせてもらい、師という設定で、蜷川さんの写真がダイナーに飾ってあるんですから、それはとても感慨深かったです」。
また、藤原と窪田にはいくつかの共通点がある。窪田も蜷川幸雄の舞台「唐版 滝の白糸」を踏んでいるし、2人とも身体能力がすばらしく、演技だけではなくアクションにも定評がある。ちなみに、藤原は大河ドラマ「新選組!」で、窪田は舞台「薄桜鬼 新選組炎舞録」で沖田総司役を演じているが、キレのある殺陣をこなせることはもちろん、美しい風貌と汚れなき無垢な少年らしさも兼ね備えた俳優でしか務まらない役どころだ。
窪田は藤原のことを心から尊敬している。「竜也さんは役に対してすごく真摯に向き合う方で、そこはボンベロともつながる感じがします。本当にいろんな役をされている大先輩ですが、芯がぶれない方です。例えば僕だと、自分が知らない間に役の芯がずれていくことがあるんですが、竜也さんはそれがない。“藤原竜也”という一つの俳優像を確立されている。だから本当に憧れが強いです」。
言うまでもなく、トップランナーである藤原竜也と窪田正孝。2人が蜷川実花監督の下、実におもしろい化学反応を見せてくれている『Diner ダイナー』を、ぜひ大スクリーンで堪能してほしい。
取材・文/山崎 伸子
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