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諏訪敦彦、西川美和らも絶賛!南沙良主演『無限ファンデーション』に賛辞が続々

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諏訪敦彦、西川美和らも絶賛!南沙良主演『無限ファンデーション』に賛辞が続々


<コメント>

●諏訪敦彦(映画監督)

「この感動はどこから来るのだろう?映画の冒頭、数学の問題が解けない未来に、先生は『大丈夫、大丈夫』と言う。ただ『大丈夫』と言うこと、何の根拠もなくそれでいいと肯定すること、それがこの映画を貫く精神である。傷ついた人間にしてやれることは、ただ寄り添い、耳を傾け、背中をさすりながら『大丈夫』と言うことしかないことを、この映画は心底知っている。即興演技は、それが単に映画にリアルを纏わせる衣装でしかないならば虚しい。俳優たちが自らの生を賭けて存在しようとする時、彼女たちの存在は花火のように飛び散って映画を破壊するかもしれないが、それでもこの映画はひとりひとりの生を肯定することをやめない。それがたとえ死者であっても。『大丈夫、大丈夫』その覚悟がこの映画を輝かせている」

●西川美和(映画監督)

「大崎さんは先輩です。ですがこの映画のトーンは私の映画とは全く違います。身勝手さやずるさや嫉妬心という人間についてまわるものを道具にして劇的に展開させるのではなく、ただゆるく許していく甘さに、確かに救われる観客がいるのだと思います。これも大崎さん流の業の肯定でしょうか。即興の是非はともかく、まぁ女同士の分裂の鬼気迫り方には体を強張らせました。田舎の高校生のいざこざという、ちっぽけなことだからこそ、大きな映画の大きないざこざより、誰でも硬直するほど身に覚えがあり怖いのです。あそこは面白かった!」

●狗飼恭子(作家・脚本家)

「わたしは、この映画がみんなに観られることが恐ろしい。良い俳優と良いスタッフと良い監督がいれば、脚本がなくとも良い映画がつくれることが証明されてしまうから。わたしたち脚本家は、細かい並びや句読点にまでこだわって台詞を書いているというのに、生身の人間から瞬間的に発せられる言葉の重みとその説得力たるや。みんな観ないといいな。でも観られちゃうんだろう。面白いから」

●つじあやの(シンガーソングライター)

「未来さんの涙、小雨さんの涙に胸が熱くなりました。もう通り過ぎてしまったあの若く、脆く、青い時代はこんなに揺れ動くものだったのでしょうか。数年前にお会いした小雨さん。存在感のある、芯の強いシンガーソングライターになられていて、嬉しいです。主題歌『未来へ』は、とにかく美しかった」

●穂志もえか(女優)

「こんなものを見てしまっていいのかという気持ちと、今見れて本当によかったという気持ち。衝撃的なほどリアル。あの、目の前のことにがむしゃらで、無敵な、10代の女の子たち。もう二度と見られないと思っていたあの顔、息遣い、熱さをもう一度体験できる映画。西山小雨さんの音楽がたまらない」

●関根史織(Base Ball Bear)

「前作『お盆の弟』はモノクロ映画で、今作は“全編即興演技”って事だけでも、大崎監督の『タダじゃおかねー』という心意気を感じます。即興ならではのセリフ回しやテンポ感は恐らく賛否両論あるのではないかと思いますが、最近わたしも『少数派でも、反感を買ってしまっても、結果失敗したとしても、どうしてもやりたいと思ってしまったものはやるしかないんだよな』という気持ちでいますので、映画に出てくる女の子たちと、大崎監督を応援したいと思います」

●根矢涼香(女優)

「自分の中の守りたいものを守ることに必死だった。それが全てだから。ずっと同じ歩幅で歩けるとは限らないと分かっていたけれど、やっぱり痛い。彼女たちの傷口を、西山小雨さんの歌声が浸し、癒し、再び強く繋げていく。走り出す準備は整った」

●中森明夫(アイドル評論家)

「こんな無謀なことができるのは、真に大人の監督だけだ。待機すること。一回性の瞬間に賭けること。大崎章は目の前の少女たちを信じている。自分が『待ち、賭ける』に値することを確信している。その視線は限りなくやさしい。しかし、その『やさしさ』は、希望などではない。『心底、絶望した』大人だけが持つ…恐ろしいやさしさだ。やさしくて恐ろしいオジサン監督によって少女らは『演じる』ことを超えて、『生きる』ことを要請される。その奇跡の瞬間を目撃してほしい。映画館の暗闇で、じっと目を凝らして。そっと耳を澄ませて」

文/編集部

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