エリザベス女王風にスワロフスキーのユニフォーム…『ロケットマン』ド派手ルック<写真15点>
イギリスの伝説的シンガー、エルトン・ジョンの波乱万丈な半生を『ボヘミアン・ラプソディ』(18)で最終監督を務めたデクスター・フレッチャーが描くミュージカル『ロケットマン』(公開中)。エルトンと言えば、歌唱力や楽曲のすばらしさと共に代名詞となっているのが、ド派手で奇抜すぎるファッションの数々だ。
幼少期は無関心な両親の元で孤独に育ったエルトンだが、作詞家バーニー・トーピンとの出会いを機にミュージシャンとして成功を収めていく。しかし、周囲から向けられるプレッシャーに苦しみ、本当に愛してほしい相手から愛されないことで深く傷ついてしまう。本作では、次第に薬に溺れていくダークなエルトンの側面まで、知られざる彼の半生を代表曲と共につづっていく。
楽曲のクオリティはもちろん、圧巻のパフォーマンスで人気を集めるエルトンのステージングを支えた衣装たち。特に人気絶頂の70年代はエルトン自身も「クレイジーだった」と振り返るほどの奇抜なものばかり。本作でもそんな彼のエッセンスを大いに味わうことができる。
テカテカした光沢素材を使用したトラ柄のジャケットや、なんと約14万個ものスワロフスキー・クリスタルを散りばめたキラキラのドジャースのユニフォームなど、目が眩むような衣装の数々。しかしこれらはエルトンにすればまだ地味と言える部類で、時には魚のうろこのようなデザインや、オレンジのタイトなジャンプスーツに頭にツノ&背中に羽というデビル・コスチュームなど、形容するのが難しい…とにかくぶっ飛びまくりのルックが次々と登場する。またエルトンといえばメガネもアイコンとなっているが、本作でエルトンを演じたタロン・エガートンは53ものアイウェアを着用しているというからそこにも注目してみてほしい。
これらの衣装をデザインしたのは『ボヘミアン・ラプソディ』のフレディ・マーキュリーや『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』(09)のジョン・レノンなど、数々のアーティトを題材とした作品を手掛けてきた、ベテランデザイナーのジュリアン・デイ。本作ではエルトン個人の衣装アーカイブを見学できたそうで、その時に本人にコンセプトデザインを見てもらい、「お気に入り」の言葉をもらえたことが自信になったのだとか。そんなジュリアンの自信作がエリザベス女王風のもの。実際にはエルトンが着たことはない創作物だが、説得力抜群なものとなっている。
ステージ上はもちろん、ステージ外のコスチュームも鮮やかな『ロケットマン』。エルトンの状況などストーリングテリングの面でも大きな役割を果たしているので、ぜひ注目してみてほしい!
文/トライワークス