RPGの基礎を築いたのも彼!『LOTR』『ホビット』の原作者“トールキン”の魅力を知る

コラム

RPGの基礎を築いたのも彼!『LOTR』『ホビット』の原作者“トールキン”の魅力を知る

仲間との絆に恋!トールキンの創作の原点が描かれる!

トールキン 旅のはじまり』では、そんな想像力豊かなトールキンがどのような少年時代を過ごし、仲間と友情を育み、恋をしてきたのかが描かれる。

少年時代に立て続けに両親を亡くしたトールキンは、母の友人である神父の後見を得てエリートが通う名門キング・エドワード校に通うことに。そこで、彼は厳格な校長の息子で画家志望のロバート、劇作家を目指し詩にも長けたジェフリー、クラシックの作曲家ですでに1曲出版しているクリストファーら3人の少年に出会い、秘密クラブ<ティー・クラブ・バロヴィアン・ソサエティ(略して、T.C.B.S)>を結成する。

彼らと日々のことや芸術について議論しあう中で、物語の創作力や絵の才能を磨いていくトールキン。「指輪物語」における9人の旅の仲間、「ホビットの冒険」における13人のドワーフとホビットのビルボにも通じる、仲間との絆や友情が育まれていったのだ。

【写真を見る】トールキン少年が友人たちと、「指輪物語」や「ホビットの冒険」にも通じる絆を育む
【写真を見る】トールキン少年が友人たちと、「指輪物語」や「ホビットの冒険」にも通じる絆を育む[c]2019 Twentieth Century Fox

また、16歳の時にトールキンは、下宿先の3歳年上の女性・エディスと出会い恋に落ちる。孤児という境遇や、物語が好きという点で意気投合し惹かれ合っていくふたりの物語も本作で触れられている。エディスは前述の、ルーシエンのモデルとされており(ベレンはトールキン)、後に1916年にふたりが結婚し71年にエディスが亡くなった際には、彼女の墓標に“ルーシエン”の名が刻まれ、その後トールキンの墓標には“ベレン”の名が刻まれた。トールキンが物語のモデルにするほどの女性がどのように魅力的な人物なのか、またふたりが結ばれるまでの波乱に満ちた恋物語にも注目してほしい。

トールキンは3歳年上の女性・べティスと恋に落ちる
トールキンは3歳年上の女性・べティスと恋に落ちる[c]2019 Twentieth Century Fox

ほかにも、大学での恩師との出会い、第一次世界大戦での壮絶な戦争体験といった、トールキンの創作に影響を与えたであろう出来事が次々と描かれる本作。トールキンがいかにして偉大な作家となったのか、その原点を本作で見届けたい。

文/トライワークス

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