【今週の☆☆☆】“最強ヴィラン”の誕生を描いた『ジョーカー』やキアヌ・リーブス主演の『ジョン・ウィック』最新作など週末観るならこの3本!
Movie Walkerスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画。今回は、10月4日から今週末の公開作品をピックアップ。バットマンの宿敵“ジョーカー”が悪に目覚める瞬間を描いた快作や、韓国が舞台のスリリングなクライム・アクション、キアヌ・リーブスが暴れ回るアクションシリーズの最新作など、バラエティあふれる作品ばかり!
悪のカリスマへと変貌する悲劇の人物をホアキン・フェニックスが熱演!『ジョーカー』(10月4日公開)
アメコミヒーローの代表格、バットマンの宿敵である最凶のヴィラン、ジョーカーの誕生譚をホアキン・フェニックス主演で映画化。コメディアンを夢見る、孤独だが心優しい人物であるアーサーは、どん底ながらもピエロ姿の大道芸人として暮らしていた。しかし、日々直面する過酷な現実の中で遭遇した事件により、彼は大きな変貌へと向かい始めるのだった。
人に笑いを与えようとする人物が、なぜ悪のカリスマへと変わってしまったのか?現実世界が抱える格差社会の問題などを内包しながら、自身の本質を解放していくアーサー=ジョーカーの変貌は、ホアキン・フェニックスの熱演と相まって、ヒーローの誕生譚以上に衝撃的であり、その社会背景に様々な思いを馳せずにはいられない内容となっている。また、「バットマン」のコミックスとは切り離された作品ながら、原作のオマージュ的な要素も散りばめられており、ヒーローたちの活躍する世界の裏側をも考えさせられるアプローチにも注目したい。(映画ライター・石井誠)
暴力描写が超過激!裏社会を探る刑事たちのクライム・アクション『毒戦 BELIEVER』(10月4日公開)
香港ノワールの巨匠ジョニー・トーが監督したクライム・アクションの快作『ドラッグ・ウォー 毒戦』(12)を、韓国映画界がリメイク。誰ひとりとしてその姿を見たことのない裏社会の麻薬王“イ先生”を捕らえるため、麻薬取締局の刑事とその協力者の青年が危険な潜入捜査に身を投じていくという物語だ。トー監督のハードボイルドな美学に貫かれたオリジナル版よりも、狂気みなぎるドラッグディーラーなどのキャラクターの異常性を強調し、バイオレンス描写もいっそう過激に!さらにサスペンスとアクションをたっぷりと盛りつけ、めまぐるしいストーリー展開をぐいぐい見せきる濃厚な仕上がりは、これぞコリアンノワールの真骨頂。その“猛毒”をはらんだ映像世界に痺れてほしい。(映画ライター・高橋諭治)
壮絶バトルの裏で"男の哀愁"もチラリ…『ジョン・ウィック:パラベラム』(10月4日公開)
しなやかな身のこなしと寡黙で寂しげな風情から、どこか常人離れしたイメージ漂うキアヌ・リーブス。『ジョン・ウィック』シリーズ最新作は、そんなキアヌの魅力が堪能できる快作だ。ささやかな幸せを手に入れるため、引退した伝説の殺し屋ジョン・ウィック。あるトラブルから殺戮の日々に戻ったウィックは、裏社会の掟を破ったことから全組織に狙われてしまう。全編ハードなバトルを満載した“ガチR15+”な本シリーズ。今作も銃撃戦やカーチェイス、キアヌ自ら演じる格闘戦など過激な見せ場が満載だ。アクションで注目を浴びる本シリーズだが、最大の魅力はピュアなジョンのキャラクターにある。彼が裏社会に戻った理由は亡き妻との思い出を踏みにじった者を葬ること。そのためだけに単身マフィアに戦いを挑み、組織を叩き潰してきたのだ。哀愁漂う孤独な男はまさにキアヌにうってつけ。泣けるくらいストイックなロマンチストの大暴れ、たっぷり味わってほしい。(映画ライター・神武団四郎)
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週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!
構成/トライワークス