早くも、アカデミー賞最有力との声も!『ジョーカー』が圧倒的首位デビュー!
10月最初の週末となった5・6日の映画動員ランキング。新作4本が上位に食い込むなど、ランキングが大きく変わる結果となった。
名作か問題作か!?議論を巻き起こす『ジョーカー』
DCコミック「バットマン」に登場する人気ヴィラン(悪役)を主人公とした『ジョーカー』。第76回ヴェネツィア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞するなど早くから注目を集めていた本作が、土日2日間で動員35万6000人、興収5億4800万円をあげ、圧倒的な強さで初登場1位を獲得した。来場者層も大学生から50代まで幅広く、20代の男性グループや女性同士での鑑賞も目立った。SNS上には、「ジョーカーが衝撃的過ぎて眠れない。すげー映画だった」「アメコミ系の映画は観たことがなかったけど、まったく問題なかった。ガツンと心に残るすさまじい映画だった」と絶賛する声が相次いでいる。
同日に公開されたアメリカでも、3日間で9350万ドル(99億8318万円)をあげ、10月のオープニング記録を保持していた『ヴェノム』(18)の8025万ドルを大きく塗り替えた。特に約24キロの減量を敢行し鬼気迫るアプローチでジョーカーを演じたホアキン・フェニックスは多くの称賛を受け、社会から阻害された孤独な男が狂気に堕ちていく姿は、実際に発生しうる問題として現代社会とリンクするなど、リアリティある強烈なメッセージに早くもアカデミー賞最有力との声が上がっている。
一方で、観る者の価値観や倫理観をも揺さぶりかねない、衝撃的な内容を不安視する声も。アメリカの一部の映画館では、上映中のマスク着用を禁止し荷物検査が行われ、警察からも声明文が出されるといった警戒措置が取られている。もちろん、トッド・フィリップス監督ら作品関係者はそういった政治的意図を否定。歴史に残る名作か、社会の脅威となる問題作なのか、作品のヒットと共にまだまだ論争は巻き起こりそうだ。
『HiGH&LOW』最新作に男性ファンからの熱い声が続々!
そのほかの新作では、3位に人気アクションシリーズ「HiGH&LOW」と不良コミックの傑作「クローズ」「WORST」がコラボした『HiGH&LOW THE WORST』が登場。動員12万1000人、興収1億6400万円をあげ、「ハイロー」ファンのみならず、「クローズ」「WORST」ファンや新たな客層も獲得し、男性の来場者も急増した。SNSには、「血沸き肉躍る真の男のためのアクションエンターテインメント不良ムービー。はっきり言って最高オブ最高!」「初めて観たけど、速攻で少年時代に戻った。本気のぶつかり合いは、いくつになっても惹かれるなあ」といった興奮に満ちたコメントが飛び交っている。
続いて、4位には動員9万6000人、興収1億2700万円をあげた『蜜蜂と遠雷』がランクイン。来日も果たしたキアヌ・リーブス主演の人気アクション第3弾『ジョン・ウィック:パラベラム』は、動員8万4000人、興収1億2600万円で5位スタートとなった。
上映中の作品では、3週連続で首位を保持していた『記憶にございません!』が2位、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』が6位、公開12週目の『天気の子』は7位となり累計興収135億円を突破した。
今週末には、『万引き家族』(18)の是枝裕和監督の最新作『真実』、ビートルズがいなかったら…という“if”の世界を描く『イエスタデイ』、『心が叫びたがっているんだ。』(15)の長井龍雪監督や脚本家の岡田麿里、アニメーターの田中将賀が再び集結した長編アニメーション『空の青さを知る人よ』といった注目タイトルが公開される。
文/トライワークス
1位 ジョーカー
2位 記憶にございません!
3位 HiGH&LOW THE WORST
4位 蜜蜂と遠雷
5位 ジョン・ウィック:パラベラム
6位 かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~
7位 天気の子
8位 人間失格 太宰治と3人の女たち
9位 HELLO WORLD
10位 アナベル 死霊博物館
※興行通信社調べ