10年後の日本はこんな感じ?『AI崩壊』巨大セットに潜入、「人工知能を扱った映画の金字塔に」と入江悠監督
●賀来賢人(西村悟役)
――撮影を終えた心境は?
「終わる気がしなかったので、終わってホッとしています(笑)。台本を見ていてもスケールや動きも多く大変な撮影だと予想していましたが、実際撮影してみるとより大変で、繊細な動きを意識したり、難しいことをいかにわかりやすく伝えるかを監督もこだわっていましたが、丁寧に撮っていた実感があるので、完成が楽しみです」
――脚本を読んだ印象は?
「日本の映画のスケールにはない脚本だと思いました。海外ではSFやAIをテーマにした映画は結構多いですが、日本はあまりない上に実写が難しい中で、完全オリジナルでアクションやサスペンスといったワクワクする映画を撮ると聞いただけで参加したいと思いました。今までにないような作品になっているという手応えはあります」
――大沢たかおさんとの共演について教えてください。
「結構クールな方をイメージしていましたが、とてもおしゃべりでフランクに接してくださり、どんな会話にも付き合ってくれました。義理の兄弟という関係性もあり、近い存在になりたいと思っていましたが、大沢さんがそういう空気を作ってくださいました。大沢さんがカメラの前に立つと存在感や「やるぞ!」というみんなのスイッチが入る瞬間を見られたので、それを見られただけでもこの作品に参加してよかったと思いました」
――岩田剛典さんの印象を教えてください。
「同世代なので、もっと一緒に芝居をしてみたかったです。楽屋では喋る機会があったのですが(共演が少ないのは)残念です。同い年なのにしっかりしていてビジョンを持った素晴らしい役者さんだと思いました。自分のダメさにへこみましたね(笑)」
――入江監督の印象は?
「僕が20代前半の時に務めさせていただいた初主演ドラマの監督だったので、時を経て成長した姿を見せたかったですし、より洗練された的確な演出をしてくださり、どんなシュチュエーションでも答えが返ってきて頼もしかったので、不安もなく安心してついていきたいと思いました」
――観る人へのメッセージをお願いします。
「(今までの)日本になかったような映画ですし、僕がこの映画の予告を観たらワクワクするような映画になっていると思います。画を観ただけでも月並みですが観たことのない映像になっていると思います。緊迫したシーンが奥行きのある映像になっているので、日本の映画界や視聴者に“おっ”と思わせる作品になっていると思います。テーマ的にも今の日本になかったようで現実に起こりうる危機感が時代に合っていて、どの世代が観ても楽しめる映画になっていると思います」
●岩田剛典(EXILE / 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)
――撮影を終えた心境は?
「12月にクランクインしてから2ヶ月ちょっと、出演シーンは少なかったですが、2ヶ月間ずっと桜庭のことだけを考えて生活していたので、とてもやりがいのある役でした。大変でしたがとても楽しい現場でした」
――脚本を読んだ印象は?
「今の時代にオリジナルストーリーで近未来をテーマにすることはなかなかないと思うので、すごくチャレンジングな作品だと思いました。刑事役が初めてでしたし、桜庭はとても頭がよくスマートな役でしたので、現場に入って周りの役者の温度感を見て役作りをするか悩みましたが、監督と打ち合わせをして“IQが高くてキャリアで海外で飛び級していて、登場人物の中で、一番エリートで階級が高くて若くて…”という情報を自分の中に入れることで、自分なりに桜庭の人物像が見えてきました。クランクインしてみて、(桜庭は)表面的には人付き合いや人間関係構築が上手な『人たらし』みたいな人の良さを持ち合わせていました」
――大沢たかおさんとの共演について教えてください。
「とにかく優しい!現場でも気さくに声をかけてくれたし、スタッフさんとも気さくにコミュニケーションを常にとるのにカメラが回った瞬間にガッと切り替わる集中力やパワーは、吸引力があって勉強になりました。この現場全体の雰囲気を作っていたのが、大沢さんのおおらかさや引っ張ってくれる男らしさで、士気の高い現場でした」
――『AI崩壊』の魅力を教えてください。
「いままでありそうでなかった題材だと思いますし、まさにいま、旬になっているAIという技術をテーマにした大作ですし、その分野に興味が高い人は多いと思うので、SF要素やアクション、画の迫力、ストーリーの展開も含めて、一秒たりとも聞き逃せないし見逃せない映画だと思います。近い未来の日本を舞台にしているので、この作品を通じて10年後の未来について観た人みんなが共感できて考えさせられる映画だと思います。想像の世界の映画が世の中に届くことによって、未来の生き方について一人でも多くの人が感じることができたら、この映画を作った意義があると思います」
取材・文/編集部