5年ぶりにスクリーンに登場した美しきヴィラン『マレフィセント』の世界をおさらい!

コラム

5年ぶりにスクリーンに登場した美しきヴィラン『マレフィセント』の世界をおさらい!

世界中で大ヒットした『マレフィセント』(14)の5年ぶりの続編『マレフィセント2』が現在公開中。前作では、マレフィセントを演じたアンジェリーナ・ジョリーのハマりっぷりや、ディズニー・ヴィラン(悪役)を主人公にした物語が話題を集めたが、作品を知らない、観たけど記憶があいまいだな…という人に向けて、その物語や世界観を振り返ってみようと思う。

凛々しいマレフィセントに美しいオーロラ姫、新キャラのイングリス王妃は怪しい雰囲気…
凛々しいマレフィセントに美しいオーロラ姫、新キャラのイングリス王妃は怪しい雰囲気…[c]2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

ドラゴンにも変身!邪悪な魔女、マレフィセント

そもそもマレフィセントとは、1959年のディズニーの長編アニメーション『眠れる森の美女』に登場する邪悪な魔女として知られていた。この作品では、オーロラ姫に“死の眠り”をかけたマレフィセントが、隣国の王子・フィリップによって討たれ、姫と王子が結婚し幸せに暮らすところで「めでたしめでたし」と締めくくられる。劇中でのマレフィセントは、呪いをかけた理由がオーロラ姫の誕生祝いに呼ばれなかった逆恨みで、最後は巨大なドラゴンに変身して王子に襲いかかるなど、一貫して悪として描かれている。

【写真を見る】『マレフィセント2』に向けて前作や世界観を振り返り!
【写真を見る】『マレフィセント2』に向けて前作や世界観を振り返り![c]2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

『眠れる森の美女』をベースにマレフィセントの物語を深掘り!

そんな半世紀以上前の名作アニメーションをベースにした『マレフィセント』は、これまで語られることのなかったマレフィセントの過去を掘り下げ、『眠れる森の美女』を彼女の視点から描くユニークな作品となっている。

人間の王国と対立する妖精の国に暮らす、妖精の少女、マレフィセントが、人間の少年であるステファンと出会い、恋に落ちるところから物語は始まる。時は流れ、永遠の愛を信じていたマレフィセントだったが、王座をねらう野心家になったステファンに裏切られてしまう。その後は、基本的にアニメーション版に準拠した物語が展開されるが、王となったステファンの娘、オーロラ姫の成長を影から見守るうちに母性が芽生え、呪いをかけたことを後悔する姿も。そして、自らの“真実の愛のキス”でオーロラ姫の呪いを解き、ステファン王との遺恨にも決着を着け、人間と妖精の国に平和をもたらしたことで物語は幕を下ろす。

オーロラ姫を演じるのは前作に続いてエル・ファニング
オーロラ姫を演じるのは前作に続いてエル・ファニング[c]2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

自立した新たな女性像を描く『マレフィセント』

『アナと雪の女王』(13)にも見られるように、昨今のディズニー作品では、従来のお姫様と王子の結婚ではなく、多様な愛の形や男性に頼らない自立した女性像を描いている。『マレフィセント』もそれらにカテゴライズされる作品で、オーロラ姫が王子ではなくマレフィセントのキスで目覚め、マレフィセントも自身を裏切った男性に立ち向かっていくといった展開に、多くの人が驚き共感も呼び込んだ。また、マレフィセントとオーロラ姫には血のつながりはないが、2人が強い母娘の絆で結ばれていることからも、自由な家族の形を世界に示したと言えるだろう。

イングリス王妃の策略で孤立するマレフィセント
イングリス王妃の策略で孤立するマレフィセント[c]2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

『マレフィセント2』では、幸せな結末を迎えたはずのマレフィセントとオーロラ姫の固い絆が、妖精を憎むイングリス王妃によって揺さぶられることに。王妃の策略により、オーロラ姫がマレフィセントを拒絶し、彼女は深く傷ついてしまう。果たして、マレフィセントの運命は…?その行く末をスクリーンで確かめよう!

文/トライワークス

関連作品