『ヒックとドラゴン』の監督と『プロメア』脚本家、中島かずきが互いの作品を絶賛!
現在開催中の第32回東京国際映画祭で、最新作『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』(12月20日より公開)を含め、「ヒックとドラゴン」シリーズの第3作が10月30日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで特別上映。本作を手掛けたディーン・デュボア監督が来日し、1作目『ヒックとドラゴン』(10)の上映前に、デュボア監督と、アニメ映画『プロメア』の脚本を手掛けた中島かずきと、対談形式の舞台挨拶に登壇した。
少年ヒックとドラゴンのトゥースとの友情と冒険を軸にした「ヒックとドラゴン」シリーズ。デュボア監督は、トゥースのキャラクターについて「ドラゴンが存在するという信憑性を感じてもらうために、実在の動物たちの生態を参考にして描きました。トゥースは、オウムやカラスなどの動きを参考にしています。アニメーションの一番の強みは、そういう表現力だと思います」と制作秘話を明かした。
中盤で、中島が登場。『プロメア』と、『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』の2作が、第92回アカデミー賞長編アニメ映画部門のエントリー作品(全部で32作の候補作品がある)であるという共通点のある2人は、握手を交わしたあと、両作について語り合った。
中島は1作目の『ヒックとドラゴン』(10)について「集団に入れない少年と、どこか欠けているドラゴンが、コミュニケーションを取ることで、だんだん成長していき、周りも変えていく。『プロメア』をやる時も、『ヒックとドラゴン』のようなジュブナイルがやりたいと思っていました。できあがったものは、似ても似つかない作品になったけど、非常に参考になったし、大好きな作品です」と絶賛した。
デュボア監督も『プロメア』について「感動しました。とても美しい映像で、ワクワクさせられました。アカデミー賞のエントリーも、されるべくしてされた作品だと思います」と称えた。
また、日本のアニメにも造詣が深いデュボア監督は「最初に出会った日本のアニメ映画が『AKIRA』(88)で、10代の時に初めて観て、アニメを勉強したいというきっかけを与えてくれた作品です。そこから宮崎駿監督作と出会い、その世界観に感嘆しました。イノセントでパワフルな物語をたくさん生み出されていて、すごいインスピレーションを与えてくれました」と語り、会場を沸かせた。
取材・文/山崎 伸子