J.J.エイブラムスがずっと描きたかった、「スター・ウォーズ」完結編で実現した“あるシーン”とは?
一作目『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(78)が全米で公開されてから42年。世界中で愛され続けてきた「スター・ウォーズ」シリーズの完結編『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』がいよいよ12月20日(金)より日米同時公開となる。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)でメガホンをとったJ.J.エイブラムスが監督を務め壮大なサーガを完結させるが、本作で遂にエイブラムス監督が『フォースの覚醒』の時からずっと描きたかったという、“レイ、フィン、ポー・ダメロンら仲間が一緒に冒険するシーン”が実現したといい、喜びを明かした。
ジョージ・ルーカスから「スター・ウォーズ」シリーズを受け継いだJ.J.エイブラムス監督だが、「ついに本作ではレイやフィンら仲間が一緒に揃うんだよ。シリーズの最初に仲間が出会って、離れ離れになり、最後にまた出会って一緒に戦う。これはジョージ・ルーカスがやったことと同じで、僕も仲間たちのシーンを描きたいと思っていたんだ」と、ジョージ・ルーカスが描いた過去のシリーズからヒントを得て完結編を作り上げていったことを明かす。
これまでレイ、フィン、ポー・ダメロン、BB-8ら仲間たちの姿はそれぞれバラバラに描かれ、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(17)のラストでようやくレイとポー・ダメロンが挨拶を交わしていたシーンに胸が熱くなったファンも多いはず。本作では、そんな仲間たちが遂に集結し一緒に冒険する姿を初めて目撃することになる。
エイブラムス監督は「『フォースの覚醒』でレイやフィン、ポー・ダメロンが出会い、『最後のジェダイ』でも彼らはほとんどバラバラに過ごしている。そして『スカイウォーカーの夜明け』でようやく仲間が一緒になるんだ。これはジョージ・ルーカスがやったことと同じで、仲間が離れ離れになり再会した時に絆が強くなっている。そうした瞬間を描けたことが僕にとっては最高だったし、ライアンにはとても感謝しているよ」と、『最後のジェダイ』の監督ライアン・ジョンソンへ敬意を払いつつ、「『最後のジェダイ』でライアンがやったことは素晴らしいと思うよ。僕は彼みたいな素晴らしい映画を作れない。それに僕が最終的に行き着くべき所へたどり着くために関係ない話では全くなかった。僕がずっと描きたかった冒険を描く余地を残してくれて感謝しているよ」と、ジョンソン監督のおかげで素晴らしいフィナーレを迎えられることに感謝していると語る。
世界中に多くのファンを持つ作品では、監督やキャストたちに批判が向けられることが少なからずあるが、そんなファン心理にも理解を示し「ファンからの批判は僕にも理解できるよ。僕もみんなと同じくファンの一人だからね。でもみんなに気に入ってもらうのは不可能だと分かって制作し始めた。過去の物語とあまり変えなくても不満が出るし、変えすぎても嫌われてしまう。でも『フォースの覚醒』を制作している時、同じストーリーを繰り返すつもりはなかった。ただ、今までの物語や世界観はつながっていて、スカイウォーカーのサーガだということはとても大切にしたよ」と振り返るエイブラムス監督。
さらに「スター・ウォーズ」の物語を自身の手で終わらせることに興奮がおさまらなかったとも話し、「監督をオファーされた時、自分で完結させるということがあまりにも魅力的すぎて断ることはできなかったよ。子供の頃に多大な影響を受け、ジョージ・ルーカスが作り上げたこのシリーズを終わらせるなんて本当に光栄なことだった」と本シリーズへの深い愛をのぞかせた。そんなエイブラムス監督が「スター・ウォーズ」シリーズに敬意を込めて作り上げた渾身の“完結編”。長きに渡り語り継がれてきた壮大な物語の行方を、最後まで見届けたい。
文/富塚 沙羅