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【連載】「尾崎由香のぴゅあっとムービー」1月 今月の映画:『パラサイト 半地下の家族』

コラム

【連載】「尾崎由香のぴゅあっとムービー」1月 今月の映画:『パラサイト 半地下の家族』

今回は、世界中で話題をさらっている衝撃作『パラサイト 半地下の家族』をピックアップ!
今回は、世界中で話題をさらっている衝撃作『パラサイト 半地下の家族』をピックアップ!撮影/黒羽政士

映画好きで知られる声優・尾崎由香が、鑑賞した映画や自身のあれこれについて語る「尾崎由香のぴゅあっとムービー」(「月刊シネコンウォーカー」&「月刊イオンエンターテイメントマガジン」連載中)。今月は、『殺人の追憶』『グエムル-漢江の怪物-』を手掛けたポン・ジュノ監督によるブラック・コメディ『パラサイト 半地下の家族』(公開中)を取り上げる。

“半地下住宅”で貧しく暮らすキム一家を中心に描かれる『パラサイト 半地下の家族』
“半地下住宅”で貧しく暮らすキム一家を中心に描かれる『パラサイト 半地下の家族』[c] 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

“半地下住宅”で貧しく暮らす、全員失業中のキム一家。大学受験に失敗し続けている長男ギウは、友人に家庭教師の仕事を紹介され、エリート大学生と身分を偽って、パク社長一家が暮らす“高台の大豪邸”で働き始める。ギウは妹ギジョンも美術家庭教師として紹介し、徐々に社長一家に“パラサイト”していくが…。

貧しい暮らしのため、WiFiにつなぐためにトイレによじ登る兄妹
貧しい暮らしのため、WiFiにつなぐためにトイレによじ登る兄妹[c] 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

第72回カンヌ国際映画祭にて最高賞パルム・ドールを受賞し、アカデミー賞レースも席巻している本作。誰も予測できない展開へと転んでいく衝撃的な物語を、彼女はどのように観たのか?


ウソは苦手で、すぐ顔に出ちゃうんです

【写真を見る】「新年らしく、実家に帰ったラフスタイルにしました!」というプライベート感あふれる服装もチェック!
【写真を見る】「新年らしく、実家に帰ったラフスタイルにしました!」というプライベート感あふれる服装もチェック!撮影/黒羽政士

今回取り上げる『パラサイト 半地下の家族』は、おもしろくてオススメしたいんですが、絶対にネタバレできないからどう伝えたらいいのか…って悩んじゃいますね(笑)。ポスターがちょっと不気味だから、観る前はホラーチックで怖い作品なのかな?って思っていたんですが、序盤から笑う場面が多くてまずびっくり。詳しくは話せないんですが、家族が“ある場所”にみんなで隠れるシーンがあって、そこはハラハラドキドキしたし、すっごく笑いました。

豪邸で暮らすパク社長の妻は、ギウたちを信用し雇うが…
豪邸で暮らすパク社長の妻は、ギウたちを信用し雇うが…[c] 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

それでいてクライマックスにはショッキングな展開もあったし、観終わったあとは哀しくてせつない気持ちになる。半地下で暮らす家族のお父さん役の俳優さん(ソン・ガンホ)の芝居がうまくて、“感情が見える”んですよ。だから登場人物のなかでも彼に一番感情移入しちゃって、わたしも同じ立場だったら同じ行動に出るかもしれないなって思わされたし、いっそうつらくなりましたね。

『殺人の追憶』などポン・ジュノ監督とのタッグは今回が4度目となる名優ソン・ガンホが貧しい一家の父親役を演じる
『殺人の追憶』などポン・ジュノ監督とのタッグは今回が4度目となる名優ソン・ガンホが貧しい一家の父親役を演じる[c] 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

ひと言でどんな映画なのか説明するのは難しいですが、コメディ感やサスペンス感もあるけど、誰もが家族のことを大切に思い、愛していて、最後に「家族」っていうワードが残る。だからわたしにとっては、せつない「家族の映画」でした。

顔に出てしまい、ウソが苦手だという尾崎さん
顔に出てしまい、ウソが苦手だという尾崎さん撮影/黒羽政士

ちなみに、映画の中でポイントになっている“ウソ”なんですが、わたしは人をだますのが苦手で、すぐバレちゃうんです。よく「顔に出てるよ」って言われるから、相当わかりやすいんでしょうね…。もちろんふざけてついたウソばかりで、真剣にウソをつこうって思う場面なんてそうそうないんですけど(笑)。でも、わたしも役者なので、本気になったら案外バレずにみんなをだませるかもしれませんよ…!(笑)

新年は毎年のんびり過ごすのだそう
新年は毎年のんびり過ごすのだそう撮影/黒羽政士





おざきゆか◎1993年生まれ、東京都出身。17年のTVアニメ「けものフレンズ」のサーバル役で注目を集める。今月より舞台「DECADANCE-太陽の子-」に出演。1/24(金)~2/1(土)東京公演・EX THEATER ROPPONGI。2/8(土)~9(日)大阪公演・森ノ宮ピロティホール。公式Twitter/@ozaki_yuka515

取材・文/編集部

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