不朽の名作にトラウマな異色作も?『映画ドラえもん』全40作をポスターと振り返る【前編】 - 2ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
不朽の名作にトラウマな異色作も?『映画ドラえもん』全40作をポスターと振り返る【前編】

コラム

不朽の名作にトラウマな異色作も?『映画ドラえもん』全40作をポスターと振り返る【前編】

子どもたちにトラウマを植えつけた『映画ドラえもん のび太と夢幻三剣士』

『映画ドラえもん のび太と夢幻三剣士』(94)
『映画ドラえもん のび太と夢幻三剣士』(94)[c]藤子プロ・小学館・テレビ朝日 1994

『映画ドラえもん』といえば、おどろおどろしいキャラクター、メデューサが登場する『映画ドラえもん のび太の魔界大冒険』(84)など、どこかゾッとするような作品もチラホラ。なかでも『映画ドラえもん のび太と夢幻三剣士』(94)は抜群のトラウマ度を誇っている。アレクサンドル・デュマの「三銃士」をモチーフに、夢の中のユメミル国と妖霊大帝の争いを描く本作では、のび太としずかが死んでしまうというまさかの展開や、夢の世界と現実が混ざり合ったようにも思える(?)奇妙なラストシーンなど、数あるシリーズのなかでも異色作として知られている。

藤子・F・不二雄の遺作となった『映画ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』

『映画ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』(97)
『映画ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』(97)[c]藤子プロ・小学館・テレビ朝日 1997

シリーズ18作目の『映画ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』(97)は、原作の大長編シリーズを執筆中に藤子・F・不二雄が亡くなっており、藤子にとっての遺作となった作品。ひみつ道具“生命のねじ”を使っておもちゃに命を吹き込んだのび太は、小惑星におもちゃの街を作るが、その街に凶悪な脱獄犯が紛れ込んだことから騒動が起こっていく。「あとは君たちに任せる」というセリフがあることから、藤子・F・不二雄自身は、本作が遺作となることがわかっていたのでは(?)とも言われている、なんとも感慨深い作品だ。

40年という歴史のなかで、様々な個性豊かな作品が生みだされてきた『映画ドラえもん』。後編では、2000年〜最新作『映画ドラえもん のび太の新恐竜』までを一気に振り返るので、そちらもあわせてチェックしてみてほしい。

文/トライワークス