『Fate』杉山紀彰と中田譲治に聞く士郎と言峰の宿命…「お互いの正義を貫くことを選択する」
2017年に第一章が公開した劇場版『Fate/stay night [Heaven's Feel]』の最終章、III.spring songが8月15日(土)より公開され、いよいよ3部作が完結を迎える。本作では、主人公の衛宮士郎とヒロインの間桐桜がした選択の結末、「聖杯戦争」の真実が明らかにされる。そしてこのたび、クライマックスで重要な展開を見せる、士郎役の杉山紀彰と言峰綺礼役の中田譲治による対談インタビューが実現!長年携わってきた「Fate」シリーズやキャラクターへの思い、完結に向けての心境、様々なシーンなどの見どころを語ってもらった。
「聖杯戦争とはなんなのか、各キャラクターたちの思いもすべて明らかになるとても大切なルートの最終章」(杉山)
――ついに最終章がお披露目されます。いまの心境を教えてください。
杉山「聖杯戦争とはなんなのか、各キャラクターたちの思いもすべて明らかになるとても大切なルートの最終章を、(アニメ制作会社の)ufotableさんの最高の技術をもって、作品をみなさんにお届けできるのはすごくすてきなことだと思っています。僕自身もファンの一人として、作品を観られることがすごくうれしいです」
中田「『Fate/stay night』としては一つの区切りを迎え、10年以上付き合ってきたキャラクターをこのメンバーで一緒にやるのも最後なのかな、という寂しさも感じています。同時に早くみなさんに観ていただきたいという気持ちも強くあり、うれしさと寂しさが交互にやってきている状況です」
――「Fate」シリーズが支持される理由はどこにあると感じていますか?
杉山「(原作者の)奈須きのこ先生が考えた物語の奥深さですね。キャラクターそれぞれの思いや願い、冬木の町の設定や英霊召喚システムなど、Fateの世界を構成するルール、人間模様も含めて、ものすごく深く構成されています。物語や世界観が綿密に練られているのが一番大きな理由かと。どのキャラクターでもスピンオフが作れそうですよね」
中田「召喚するという設定はほかの作品にもありますが、Fateはキャラクターそれぞれの物語の“深度”を感じます。潔さ、かっこよさ、そして情けなさまで共感できることが、みなさんが読んでくれる、観てくれる理由なのだと思っています」
――見どころ満載ですが最終章の注目ポイントを教えてください。
杉山「本筋としては士郎と桜の物語ですが、ふたりを取り巻く人間模様も大きな見どころです。桜だけの正義の味方になるという気持ちを表明した士郎が、ほかのルートとは違う正義を模索して結論を得ようとする。彼の選択が最後にどういう結末をもたらすか、大きな見せ場だと思っています」
中田「今作が『Fate/stay night』の長い歴史の一つの完結点となります。謎が明らかになり、見えなかった部分が見えてくる章になっています。『ここを観ずしてどうするよ!』という章ですね(笑)。言峰は、これまでの傍観者ではなく物語の登場人物として士郎にかかわってきます。言峰ファンにはスクリーンでしっかりと観届けてほしいですね」
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