『Fate』杉山紀彰と中田譲治に聞く士郎と言峰の宿命…「お互いの正義を貫くことを選択する」
「勝った負けたではない結末のつけかたも深いです」(中田)
――今回は士郎と言峰のシーンもとても楽しみです。
杉山「これまで言峰は士郎を助けてくれるのか、惑わせたいのかがわからず、士郎が怪訝な顔をすることも多かったのですが…」
中田「そうだったね(笑)」
杉山「今回、言峰がそういう態度をしてきた理由が明らかになります。そのうえで、お互いの正義を貫くことを選択し、戦います。正義と正義のぶつかり合いです。アフレコでは引き算の芝居を心がけました。リアクションを控えめにすることで、言峰が自分の思いを吐露する場面をしっかり聞いてほしいと思ったからです」
中田「ありがとう!いままではなんとなく、認めてないわりには共闘しているように見えていた二人ですが、最後の最後で似ているけれど決定的に違うことを表現できたと思います。肉体的な格闘はもちろん、それぞれのバックボーンの違いがぶつかるところ、勝った負けたではない結末のつけかたも深いですね」
――お二人にとっての正義について教えてください。
杉山「自身の名声欲、金銭欲を満たすために正義を語る人はほんとうに嫌いです。僕の思う正義は、たとえ人のために動いたことだとしても、それを自分の手柄や金銭的なメリットにしないこと。そしてアピールもしないこと。裏方というか縁の下の力持ちとして行動する人こそ、本物だと思います」
中田「世の中にはいろいろなルールがあるし、時代とともに変わる価値観もあります。そのなかで、自分という人間の生き様や、美学で検証したいと思っています。わがままや頑固さではなく、物事を客観的に見るなかで、自分の中にある根本的な“美学”は大事にしたいですね」
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