小学校を3か月で退学、友達の身体で人体実験…!?“世紀の発明王”エジソンを育てた好奇心
物理学者や数学者、名探偵など数々の天才を演じてきたベネディクト・カンバーバッチが、世紀の発明家トーマス・エジソンに扮する『エジソンズ・ゲーム』(公開中)。“世紀の発明王”と呼ばれるエジソンはどのようにして生まれ育ったのか?
1847年に米オハイオ州で、7人兄弟の末っ子として生まれたエジソン。彼は人一倍好奇心旺盛な子供で、小学校に入学しても、“1+1”がどうして“2“になるのか納得できなければとことん質問するなど、問題の根本的な部分に対して疑問を持ち、教師を質問攻めにしていた。そのため彼は、教師たちに煙たがられ、小学校を約3か月で退学することになってしまったのだ!
小学校退学後、エジソンは元教師の母親から勉強を教わったり、図書館に通ったりして独学で知識を深めていった。なかでも化学に対して興味を示した彼は、“鳥はミミズを食べて空を飛ぶから、人間もミミズを食べれば空を飛べる”、“ヘリウムガスは宙に浮くから、体内に入れれば人間も浮く”などと考えたそう。ミミズをすり潰した液体(!)やヘリウムガスを友人に飲ませたり、と人体実験をしたエピソードも残されている。エジソンの自由な発想を尊重していた母親も、この時ばかりはしこたま叱ったという。
12歳のころに列車内で新聞販売の売り子として働き始めたエジソンは、駅長の子どもが列車にひかれそうになっていたのを助けたお礼として、電信技術を習得。これをきっかけに発明品第1号といわれる「電信自動返信装置」を発明し、21歳の時に「電気投票記録器」で初めて特許を取得する。エジソンはその後も白熱電球やトースター、電気自動車など現代の暮らしに欠かせないものを次々に発明し、生涯のうちに1300個を超える発明を行った。
その後、34歳の時に「エジソン・エレクトリック社」を設立し、35歳で街に電気を灯すことに成功したエジソン。劇中では、そんな彼が“直流”と“交流”どちらが優れているかを巡って、カリスマ実業家ジョージ・ウェスティングハウス(マイケル・シャノン)と繰り広げた“電流戦争”が描かれる。電流戦争とは、私たちが現在使っている電力送電システムを巡る闘いである。各分野の天才たちが、命とプライドを懸けて闘かった勝負の結末、そしてエジソンの雄姿をぜひ見届けてほしい。
文/トライワークス