Disney+、日本で6月サービス開始を発表!米HBO MAXは「るろ剣」「映像研」などアニメ作品に注力
現地時間5月5日に行われたディズニー社の第2四半期決算報告でボブ・チャペックCEOがアナウンスしたDisney+の海外戦略によると、日本は6月、ポルトガル、ベルギー、ルクセンブルグ、北欧諸国は9月、年内には南米でもサービスをスタートするという。
ディズニー社が擁するアニメーション、実写映画、マーベル・エンターテイメント、「スター・ウォーズ」などのルーカス・フィルム、PIXARのアニメーション、そしてオリジナル作品を数多く揃えたDisney+は、昨年11月にアメリカで配信開始。以降、英国、カナダ、オランダ、オーストラリア、ニュージーランドなど英語圏で配信が開始され、2020年4月までに5450万人の有料サブスクリプション会員を記録している。だが、新型コロナウイルスの世界的流行によりディズニー社の収益の大きな部分を占めていたディズニーランドなどのパーク事業は閉鎖により大幅減収、映画事業も映画館の営業再開と新作の制作状況の目処が立つまで不安定な状況だ。
昨年開始した配信事業はディズニー社の収益を好転させる上で重要な意味を持ち、日本を含む英語圏以外の国々でのサービス開始を収益の軸にしていく必要がある。現在日本では動画配信サービスの「ディズニーデラックス」をNTTドコモと共同で行なっているが、Disney+とのすみ分けについては言及されていない。
一方、アメリカで5月27日にサービス開始するワーナーメディアが率いる動画配信サービスHBO MAXは、同じくワーナーメディア傘下の日本のアニメ配信サービスのクランチロール(Crunchyroll)と提携し、人気16作品を配信すると発表。
リストには、クランチロールオリジナルシリーズの「虚構推理」のほか、「鋼の錬金術師」「Re:ゼロから始める異世界生活」「映像研には手を出すな!」「るろうに剣心」「この素晴らしい世界に祝福を!」「文豪ストレイドッグス」「ベルセルク」「甲鉄城のカバネリ」「キルラキル」「四月は君の嘘」「僕だけがいない街」「キズナイーバー」「シュヴァルツェスマーケン」「91Days」「新妹魔王の契約者」「六花の勇者」が連ね、四半期ごとに作品を追加していくという。
クランチロールは世界中で6000万人の無料会員と200万人の有料サブスクリプション会員を持ち、アニメのほか漫画やゲームの配信、イベント、グッズ販売などを行なっている。HBO MAXの最高コンテンツ責任者のケビン・ライリーは、「アニメは、想像力豊かな物語と生き生きとしたキャラクターが豊かな文化を形成する、多様な芸術のかたちとして賞賛されています。(クランチロールとのコラボレーションで)情熱的なファンダムとすばらしいコンテンツのコレクションをHBO MAXに迎え入れ、アニメという独創的なアートを広めることができることに、HBO MAXは“トッテモウレシイ”と感じています」とコメントを出している。
HBO MAXはすでに北米でのスタジオ・ジブリ作品21作品の独占配信契約を結んでおり、『となりのトトロ』(88)、『もののけ姫』(97)、『千と千尋の神隠し』(01)など21作品は5月27日のサービス開始時から、『風立ちぬ』(13)は2020年秋から配信開始となる。クランチロールで配信中の16作品の追加により、HBO MAXはさらにアニメ作品の拡充を図ることになるだろう。
文/平井伊都子