超ハマリ役!『MIB3』のジョシュ・ブローリン「僕にとってトミー・リーも歴史上の人物」

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超ハマリ役!『MIB3』のジョシュ・ブローリン「僕にとってトミー・リーも歴史上の人物」

人気SFアクションシリーズ第3弾『メン・イン・ブラック3』が5月25日(金)に公開される。今回、劇中でトミー・リー・ジョーンズ扮するエージェントKの40年前、“若き日のK”を演じたジョシュ・ブローリンにインタビューを敢行。「夢にトミーが出てくるほど、『MIB』を繰り返し見て研究した」と話すジョシュにとって最重要課題となったのは、声質や仕草の一つ一つを、どこまでトミー・リーのKとマッチできるかだった。その役作りでの苦労、そして俳優としてのこだわりをたっぷりと語ってくれた。

『ノーカントリー』(07)、『トゥルーグリット』(10)と近年目覚ましい活躍を続けるジョシュ・ブローリン。渋い表情と内なる情熱を感じさせる遅咲きの名優と言える彼が、今回『MIB』のような大衆向けの作品に参加するきっかけとなったのは、シリーズのメガホンを取っているバリー・ソネンフェルド監督からのオファーだった。「役者というものは因果なもので、成功すれば成功するほど、自分自身と役柄をごちゃ混ぜにされがち。そういう誤解を避けるために、いろんな映画に出演したいと思っていました。また、僕はあらゆるコメディの中で、ソネンフェルド監督の『ゲット・ショーティ』(95)が最も好きな作品なんです。そして『MIB』のファンでもあった。そういった意味でもちょうどタイミングが良かったと言えます」。

「僕が演じるエージェントKとしてではなく、ただそこにはKしかいないと感じて物語に入り込んでもらいたいと思った」と話すジョシュ。その思惑は見事に成功し、若き日のKが登場した瞬間、彼から発せられた声はトミー・リーのアフレコなのでは?と疑ってしまうほどの出来栄えになっている。そのシーンについてジョシュは、「最も印象的なシーンだった」と語った。「Jがタイムスリップのショックから目覚めるシーンは、僕がKとして初めてカメラの前で声を発したシーンでもあります。その瞬間、みんな、僕の声がトミーの声とどのくらい似ているのか不安だったと思います。撮影が終わって、監督を見ると、彼は目に涙をためていた。それはきっと喜びの涙だったんでしょう。僕自身も『これで若いKを演じられるな』と思いました」。

そんな今回の役作りにはどんな苦労があったのだろうか? 「これまで『ブッシュ』や『ミルク』などで歴史上の人物を演じてきましたが、僕にとってトミーも歴史上の人物。そしてブッシュやダン・ホワイトよりも、遥かにトミーのことの方が好きだし、尊敬しています。ただ、トミーの声を真似することはあまりにも難しかった。彼の声には、まるでシンフォニーオーケストラのようにあらゆるトーンが存在するので、“何でこんな仕事を受けてしまったんだろう”と思ったこともありました(笑)。彼の代表的な発音を誇張したり、彼はテキサス出身なのでその発音に注意して演じました。そして、若い頃のKはどのくらい微笑むのか? 恋愛に慣れているのか慣れていないのか? あらゆるリサーチを全部し尽くしたうえで演じなければなりませんでした」。

一つ一つの質問にたっぷりと回答しながら、通訳の肩を揉んで労わるなど、終始ご機嫌のジョシュ。自身の俳優としてのこだわりについても熱く語ってくれた。「『MIB』にはいろんなエイリアンが出てきて、スーツを着た普通のサラリーマンでも、お腹の中にはエイリアンが入っていたりする。我々人間もそう。みんないろんな面を兼ね備えています。ジョージ・ブッシュをすごくいやな奴として演じるのは楽です。でも、それはCNNが5分おきにやってることだから、僕がやらなくても良い。演じるキャラクターに共感する必要はありません。でもそのキャラクターの持つ人間性には共感したいし、“彼にはこんな面もあるんだよ”ということを引き出して演じるべきだと思います」。

前作から10年。シリーズ初の3Dとなって帰ってきた『メン・イン・ブラック3』は、スケールアップした世界観とユーモアでファンの期待に大いに応えてくれる。そして最後に思いがけず感動に包まれる。笑えるのも泣けるのも、作品の出来栄えの鍵を握るジョシュの名演技あってこそ。彼の役者魂を感じさせる若き日のKの活躍に期待して、是非とも劇場に足を運んでほしい。【取材・文/鈴木菜保美】

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