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自分とは正反対の暗い男を演じたウィル・スミス

インタビュー

自分とは正反対の暗い男を演じたウィル・スミス

ウィル・スミスといえば、『メン・イン・ブラック』(97)やアカデミー賞にノミネートされた『ALI アリ』(01)など、バラエティに富んだ役を演じ、常に観客に新鮮な驚きを与えてくれる演技派俳優だ。

2/21(土)に公開を控えている『7つの贈り物』では、そんな彼自身が“今までのウィル・スミスとは全く異なる役”と断言するほど予測不能で独創的なキャラクターに挑んでいる。

ウィルが演じる主人公のベン・トーマスは、心に深い傷を抱えた孤独な男だ。“愛と贖罪と自己犠牲”についての考えが常に頭の中をめぐり、究極の目的に向かって一人突き進んでいく男。根っからのお祭り好きでエンターテイナーとしても知られるウィル自身とはあまりにもかけ離れたキャラクターだ。

「僕はオンとオフでキャラクターにスイッチを入れたり切ったりするのが得意じゃないんだ。だから今回の作品では、一度作り上げたキャラクターを壊さないように、3ヶ月間その役に入り込んだままの状態で生活したよ。本来の自分とは違う、暗くて痛みを抱えた精神状態で普通の生活をするのは本当に大変だった」

極限の精神状態の中、親友の反対も押し切り頑なに“ある計画”を実行しようとするベン。心臓病を患いながらも前向きに生きる女性・エミリーと出会ったことによって、初めてその“計画”に迷いが生じる。

「この映画は、観客が“愛”に対してどういう考え方を持っているかによって受け取り方が変わってくるんだ。ロマンチストな人は、ベンはエミリーへの“愛”のために迷いながらも“計画”を成し遂げようとしたと思うだろう。一方で、この映画を悲劇と捉える人は、ベンは精神的に狂っていて、ただその“計画”に向かって突き進むしかなかったんだと思うだろう」

ベンは7人の他人を選び、彼らに“7つの贈り物”を渡していく。映画のタイトルにもなっている“7つの贈り物”とはいったい何なのか――? 人生を変えるベンからの“贈り物”を、ウィルなら受け取ることができるだろうか。

「その前に、ベン・トーマスは“贈り物”をする相手に僕を選ぶかなぁ? 僕は善人でありたいと思ってるから、もしベンが僕を選んでくれたら嬉しいけど、ああいう風に極端な精神状態にある人間がどんな選択をするかはちょっとわからないな(笑)。ベンは常々『自分の人生を豊かに生きなさい』と言っている。ベンの贈り物が人生を変える大きなものである分、貰った側も責任を感じるはずだ。受け取った人は、ベンの忠告を守りながら、責任を全うしなければならないだろうね」

ベンの“計画”の本当の意味とその結末を知った時、人を愛したことがある人なら誰もが動揺し、衝撃を受け、そして言い知れぬ感動を覚えるだろう。キャラクターの心理に自身が圧倒されそうになったと語るウィルの演技からは、抑えきれないベンの強い感情が伝わってくる。ウィル・スミスが新境地に挑んだ『7つの贈り物』をぜひ劇場で観てほしい。【MovieWalker/渡部晃子】

「7つの贈り物」は2/21(土)より丸の内ピカデリー他全国ロードショー
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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