『ジェネラル・ルージュ〜』の舞台裏写真を大公開!
竹内結子&阿部寛扮する凸凹コンビが、不可解な術中死の真相解明に挑んだ『チーム・バチスタの栄光』(08)から待つこと1年。待望の続編となる『ジェネラル・ルージュの凱旋』(3/7公開)で、いちばんの見せ場となるシーンの撮影現場に潜入! 手に汗握る撮影の舞台裏を覗いた。
原作はご存じ、海堂尊のベストセラー小説。今回は“バチスタ事件”を解決した(?)功績を買われ、院内の倫理問題を扱う委員会の長に任命された田口公子(竹内結子)のもとに、堺雅人扮する救命救急の速水晃一センター長の不正を告発する文書が届いたことに端を発する。
スタジオ撮影、岐阜で行われた病院のロケ(こちらもかなり大がかりな撮影となった様子)を経て、名古屋入りした“ジェネラル”の面々。本作、最大の見せ場である倫理委員会のシーンにして、映画のクライマックスを飾る大事な撮影だけに、ピーンと張りつめたいい緊張が会場の空気を支配する。
それは、物語のキーパーソン“ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)”こと速水医師(堺雅人)の登場で、最高潮に。堺も『ジャージの二人』(08)で見せた優しげで頼りなげな表情は封印。威圧感と余裕に満ちた表情はまさに将軍。少し離れた場所であったにも関わらずカリスマ医師のオーラはビンビン伝わってきた。
早朝からの撮影にも関わらず、タイトな撮影をすごい集中力で乗り切る面々。普段は温厚な中村監督が目をキラリと光らせる。念入りにテスト撮影を行い、次々と細かな動きやカメラワークを確認していく。その熱のこもった演出のもと、スタッフ、キャストが結束しているのが伝わってくる。監督が「まさに、この映画が言わんとすること」を迫真の演技で体現してゆくキャスト陣。堺の長台詞で紡がれる速水の苦悩と訴えに、会議の参加メンバーも圧倒されてゆく。しかしながら、そこは役者。それぞれの思惑を胸に心理戦を繰り広げてゆくのだった。
監督の「OK!」の声に、つかの間の笑顔がこぼれる。が、カメラのセッティングが終わると、瞬時に元の緊迫感あふれる空気に戻る。カメラ位置を変更しながら、同じシーンを撮影するからだ。そして、それはかなりの長まわし撮影で行われていた。
ちなみに会議に参加するメンバーがこれまた豪華。前作に引き続き出演している國村隼(高階院長役)や平泉成(黒崎教授役)に加え、新メンバーとして登場する羽田美智子(花房看護師長)、山本太郎(佐藤医師)、貫地谷しほり(如月看護師役)といった鉄の結束を誇る救命救急チームの姿も。さらには、田口や速水の天敵となりそうな高嶋政伸(田沼役)や尾美としのり(三船事務局長役)の姿も。もちろん竹内や阿部寛(白鳥)も固唾を飲んで事の成り行きを見守っている。
長丁場の撮影ながら、緊迫する会議の空気と心理戦を楽しんでいる様子の面々。その表情には、充実感がみなぎっていた。
「“バチスタ”がスペシャリストの話なら“ジェネラル”はゼネラリストの話」と話す中村監督が「救命救急の実態と医療界が抱える厳しい実情の問題提起ができれば」と意気込む『ジェネラル・ルージュの凱旋』。
何より「撮っていると意外と仲が良くて面白い」と監督が嬉しそうに話す田口&白鳥の迷コンビ(名コンビとなっているかも)ぶりも見逃せない。リアルな救命医療の実情を浮き彫りにしつつ、奥深い人間ドラマが展開しそうな予感の本作。あぁ早くスクリーンで楽しみたい!【MovieWalker/大西愛】