敏腕・大友啓史監督が実写映画『るろうに剣心』で目指したものとは?

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敏腕・大友啓史監督が実写映画『るろうに剣心』で目指したものとは?

週刊少年ジャンプで連載され、圧倒的な人気を博した和月伸宏のコミック「るろうに剣心」。1996年のテレビシリーズから始まり、劇場版、OVAと続々にアニメ化され、日本はもちろん海外でも熱狂的なファンを生み出した作品としても有名だ。

そんな本作が実写映画化されるとのニュースが発表されたのが2011年のこと。当時は原作ファンの間から「作品の世界観を壊さないキャスティングが可能なのか?」「アクションシーンは大丈夫なのか?」と不安たっぷりの声があがったものの、主人公・緋村剣心役に佐藤健、ヒロインの神谷薫役に武井咲といった人気若手俳優を抜擢するなどのサプライズによって、次第に完成を待ち望む声が大きくなっていった。そして8月25日、遂に誰もが待ち望んだ上映初日を迎えるに至った実写版『るろうに剣心』は、新進気鋭の演出家・大友啓史監督作としても注目を集めているのだ。

1966年岩手県生まれの大友は、1990年にNHKに入社。その7年後にはロサンゼルスに社会人留学し、ハリウッドで脚本や映像演出に関わることを学んだ人物だ。そこで培った技術やセンスを活かし、連続テレビ小説「ちゅらさん」シリーズや「ハゲタカ」「白洲次郎」「龍馬伝」などのテレビドラマで演出を務め、2009年には映画『ハゲタカ』(90)でメガホンを取ったことでも知られている。

テレビ史に残る名演出家になる器として期待を一身に背負っていた大友だが、2011年4月にNHKを退局。「新しいジャンルに挑戦したい」という作家ゆえの飽くなき向上心に突き動かされていた大友の下に持ち込まれたのが、大ヒットコミックの実写化だった。「誰の目から見ても、手強いと思わざるを得ない企画だからこそ、そのハードルの高さに魅力を感じた」と大友は語っている。

そんな大友が目指したのは「アクションのなかに登場人物たちの人間性やドラマを描く」ことだった。そのために監督が必要不可欠だと譲らなかったのが、現在の映画界の主流となっているCGはできるだけ排除した、役者自身が演じる生身のアクションシーンだ。あの蒼井優ですら、ワイヤーなしで宙を飛んでいると聞けば、大友監督の並々ならぬ覚悟と彼を信頼して渾身の演技を披露する俳優陣の役者魂が感じ取れるだろう。

大友啓史監督が渾身の力を注ぎ、その期待に応えた佐藤健など豪華俳優陣の魅力あふれる演技にたっぷり酔いしれたい。本作は是非とも劇場の大スクリーンで堪能してもらいたい。【トライワークス】

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