アカデミー俳優デンゼル・ワシントンが、断って後悔した名作とは?
これまでに何度もアカデミー賞にノミネートされているデンゼル・ワシントンだが、遂に2002年、『野のユリ』(63)で、黒人として初めてアカデミー賞主演男優賞を受賞したシドニー・ポワチエに続き、『トレーニング・デイ』(01)で2人目の黒人俳優として同賞を受賞した。
落ち着いた人柄と優れた演技力をもつデンゼルは、長きに渡って多くの人々に愛され、また巨匠監督からもたくさんのラブコールを受け、数々の名作に出演している。しかし、意外にも当時の自己判断で歴史に残る名作へのオファーを断っていたようで、後悔している作品があるらしい。
まずは、トニー・ギルロイ脚本、監督の『フィクサー』(06)。同作は、アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞候補にノミネートされたほか、ジョージ・クルーニーが主演男優賞に、トム・ウィルキンソンが助演男優賞にノミネートされ、ティルダ・スウィントンが助演女優賞を受賞した名作だ。
デンゼルはGQ誌のインタビューで、「こんな脚本を読んだことがないってくらい良くできた最高の脚本だったのに、トニー監督とは初タッグになるので、なんだか神経質になりすぎて断ってしまったんだ。大失敗だった」と語っている。
また、ブラッド・ピットとモーガン・フリーマンがタッグを組んだ、デヴィット・フィンチャー監督の大ヒット作『セブン』(95)も断ったことを、後々後悔したそうだ。
またデンゼルが出演したかった作品としては、故スタンリー・キューブリック監督作『フルメタル・ジャケット』(87)と、アカデミー賞作品賞を受賞したオリヴァー・ストーン監督作『プラトーン』(86)と双方ともベトナム戦争を描いた作品を挙げているが、「スタンリー監督は僕に脚本を送ってくってこないんだから、どうしようもないよね。『プラトーン』では、ウィレム・デフォーが演じたエライアス・グロージョン3等軍曹の役をやりたかったんだ」そうで、名優といえども、なかなかやりたい役を演じることは難しいようだ。【NY在住/JUNKO】