『人生の特等席』のロバート・ロレンツ監督が緊急来日決定!
4年ぶりに俳優業に復帰したクリント・イーストウッドが主演を務める『人生の特等席』(11月23日公開)。本作でメガホンを取るロバート・ロレンツが、監督として初来日することが急遽決定した。
ロバート・ロレンツ監督は本作が初監督作品となる新人監督で、クリント・イーストウッドに唯一弟子入りを許可された経緯を持っている。1989年に映画業界に入った彼は、『マディソン郡の橋』(95)で助監督を務めると、『ミスティック・リバー』(04)で一人前のプロデューサーになった。それ以降も『父親たちの星条旗』(06)、『硫黄島からの手紙』(06)、『ヒア アフター』(11)などの製作や助監督を務め、常にクリント・イーストウッドの近くで映画作りを学んできたのだった。ロバート・ロレンツは「監督という仕事を学ぶのに、彼以上の師匠はいないよ」と断言する。
しかし、『グラン・トリノ』(09)で「もう積極的に役は探さない」と実質的な俳優引退宣言をしていたクリント・イーストウッドが、1995年の初出演作『半魚人の逆襲』(クレジットなし)から67番目の役となる本作で俳優復帰を決めたのか。ロバート・ロレンツが監督をしたいという長年の思いを知っていたクリント・イーストウッドは、「彼が初監督する作品として、これは理想的な作品だと私は思ったんだ」と語る。ロバートも「脚本を読んだ瞬間から、私にとってクリントはガスだった。クリントには(製作会社の)マルパソにとって素晴らしいプロジェクトで、彼にとっても良い役だと思うと伝え、様子を見ることにした。彼が興味を持ってくれたのはラッキーだった」と振り返る。
撮影が始まると、師匠イーストウッドからの厳しい目が光っていたといい、「彼は私を観察していて、撮影が始まった頃は、彼がまだ私の力を見極めようとし、私がやるべきことをちゃんとやっているかどうか確認しているのを感じたよ」と明かす。しかし、クリント・イーストウッドは苦笑いしながら、「何しろ、彼は私の“ワザ”を知り尽くしているからね。彼は良い感性を持っているし、彼も彼のスタッフも、どう行動すれば良いかを知っているので、私はついていけば良いんだ」と話し、ロバートの監督としての評価を聞くと、「ロバートは十分に監督をやれる」と明言する。
伝説の映画人クリント・イーストウッドが認め、長年の修業の末、監督となったロバート・ロレンツ。『硫黄島からの手紙』では製作としてだったが、今回は自身が監督となって初めて来日することになり、新人でありながら第25回東京国際映画祭のクロージング作品にも選ばれた『人生の特等席』を日本で披露する。【Movie Walker】