吉永小百合の驚嘆の秘話を日活の旧友が激白「心中シーンで失神」「相撲が強かった」
映画『北のカナリアたち』(11月3日公開)を記念した「吉永小百合展 一生生徒で…」が、西武池袋別館・西武ギャラリーで10月23日(火)から31日(水)まで開催される。その展覧会の前日、10月22日に、吉永小百合がミニ会見に出席。吉永にとって、今年2012年は俳優デビュー55年、歌手デビュー50年、そして日活100周年となるが、展覧会を開催することに悩んだという。「まだ現役でやっているのに、気恥ずかしくて穴があったら入りたいりたいくらい。でも、記念の年だから、今までの足跡を見ていただくってことも良いのではないかしらと、決心しました」と、吉永は笑顔で語った。
吉永を祝って、日活時代の盟友たちがイベントに参加。吉永と40本以上の共演作がある浜田光夫は、『ガラスの中の少女』(60)での心中のシーンの撮影秘話を披露した。「昭和35年、僕が16歳、彼女が15歳で、同級生のふたりが最後に心中するという話。湖面で(吉永の死体が)浮かぶ姿が取りにくくて。10月の寒い時期で、『大丈夫?小百合ちゃん』と聞いても『大丈夫です』と泣き言一つ言わない。撮影がスタートしたら、まばたきもしないでいるからすごいなと。でも、カットって言っても上がってこない。どうやら我慢に我慢を重ねているうちに失神してしまった」。それを聞いた吉永は「あの頃、“大丈夫の小百合ちゃん”という言葉があったんです」と、笑顔で語った。
同級生の松原智恵子からは、「色々と段取りをやってくださるし、私が胃が悪かった時、病院までついて行ってくださった。お姉さんみたいです。それに、いつもお部屋でお勉強をしていました」と、吉永の勤勉ぶりについてもコメント。また、今は女優業を引退している水森久美子からは「枕の投げ合いから相撲までしました。相撲も負けないし、すごく強かった」と、意外なエピソードも語られた。
また、吉永は、先日他界した大滝秀治について、『母べえ』(08)で共演した時の思い出を振り返り、「お金に困った母べえが病気に倒れた時、無料で診てくれた温かいお医者さん役でした。その時の大滝さんのひょうひょうとしたお芝居に心を打たれました。ああいう素敵な方が舞台や映画の世界からいらっしゃらなくなるのはとても寂しいことだし、私たちが後を継いでしっかりやっていかなきゃいけないと思いました」と語った。
「吉永小百合展 一生生徒で…」という展覧会には、吉永の女優として、人として常に謙虚でいる生き様が投影されている。「常に一俳優として、皆さんから教えてもらう立場でいたい。習いごと、遊びごとでも、みんなに教えてもらって、これからも成長していきたいです」と話す吉永。展覧会では、吉永小百合の魅力を散りばめた約350点を展示。なかには、幼少期から学生時代までの貴重な写真や、駒場高等学校時代の制服など、レアな展示物も並んでいる。【取材・文/山崎伸子】