草刈民代の魅力は?役所広司「男らしい」、大沢たかお「心が踊った」
『それでもボクはやってない』(07)の周防正行監督が、『Shall we ダンス?』(96)の草刈民代と役所広司を迎えて撮った『終の信託』の初日舞台挨拶が、10月27日に日劇3で開催。草刈、役所、大沢たかお、浅野忠信、細田よしひこ、周防監督が登壇。草刈民代は「劇映画の主演は今回が初めてで、この役を演じ切ったことが私の女優としてのスタートとなったと思っております」と挨拶。最後に10月29日に56歳の誕生日を迎える周防監督を全員が祝い、笑顔にあふれた舞台挨拶になった。
『Shall we ダンス?』以来、16年ぶりに共演した役所は、「16年前はバレエダンサーの草刈民代で、一緒に踊った時はよく怒られていました(笑)。本作では、これから女優としてやっていく覚悟と、ご主人の作品がより良くなるためにやっている姿を見て、感動しました」と語った。草刈は、役所との共演シーンで「涙がこぼれてしまいました。それくらい心が動かされました」と言うと、役所は「綾乃先生が大沢くんに責められるのを見て、しまった、しまった島倉千代子って感じでした」と、会場を爆笑させた。
綾乃を攻める検察官役を演じた大沢は「好感度が心配です」と苦笑いしつつ、「周防監督が憧れの人で、本当に勉強になったし、一緒にやった草刈さんもすごく良かったので、本当に良い時間でした」とコメント。草刈との濡れ場を演じた浅野は、「まさか監督の前で、奥さんとベッドシーンをするなんて。でも、その辺は的確な指示でした」と笑いをとった。
その後、紅一点の草刈民代の魅力を尋ねられた男性ゲスト陣。役所からは「男らしい。プロフェッショナル」、大沢からは「ドキドキして、ダンサーのように心が踊りました」、浅野からは「明るくて元気!」、細田からは「姿勢がすごく綺麗」と、称賛の声が上がると、周防監督も「彼女の集中力は本当にすごい」と改めて絶賛。草刈は「本当に恐縮しております。久しぶりの映画に主演をさせていただき、このように素晴らしい俳優の方々と共演させていただきました。監督、ありがとうございました!」と、笑顔で語った。
最後に誕生日を2日後に迎える周防監督のため、サプライズでバースデーケーキが登場し、周防監督は「やられちゃったな」と照れながら笑顔を見せた。
『終の信託』の原作は、朔立木の同名小説。終末医療や刑事裁判などをモチーフにした作品だが、周防監督が「本作はラブストーリー」と語るとおり、濃厚な人間ドラマが展開される。見終わった後、改めて人生に向き合い、自身の“終の信託”について問いかけたくなるかもしれない。 【取材・文/山崎伸子】