「風の谷」のモデル!?美しすぎる世界最後の桃源郷フンザとは
人生に傷ついた4人が出会い、写真で偶然目にした異国の地へと旅立つ感動作『草原の椅子』(2月23日公開)。佐藤浩市、西村雅彦、吉瀬美智子らが共演する同作で、彼らの旅の最終目的地として登場するのが、南アジアに存在する地上の楽園フンザだ。
フンザは、パキスタンの北西部に位置する伝説的な地域。7000m級の山々が連なる渓谷に、現地の人々が慎ましく暮らす同地は、その圧倒的な景観から“世界最後の桃源郷”と呼ばれることもある。一説では、宮崎駿監督の代表作『風の谷のナウシカ』(84)のモデルになったとも言われており、この地を目指す旅行者やバックパッカーは後を絶たないという。
このフンザで、世界で初めてとなる映画撮影を行ったのが本作なのだ。天候も不安定な山々での撮影は、移動一つ取っても非常にハードなものだったらしく、主演の佐藤浩市も思わず音を上げてしまったとか。だが、そんなキャストやスタッフたちの苦労を補って余りあるほど、劇中に収められた映像は雄大かつ幻想的な美しさをたたえている。
芥川賞作家の宮本輝が、自身のシルクロードへの旅を基に綴った小説を原作とした本作。現実離れした美しすぎる光景に触れ、次第にそれぞれの人生を取り戻していく人物たちの姿には必ずや心を打たれてしまうだろう。【トライワークス】
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