ポール・トーマス・アンダーソン絶賛!「『ハッシュパピー』は2012年のベスト映画」

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ポール・トーマス・アンダーソン絶賛!「『ハッシュパピー』は2012年のベスト映画」

ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ザ・マスター』が現在公開中だ。『ザ・マスター』は2月に授賞式が行われた第85回アカデミー賞で主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞の3部門にノミネートされるものの、肝心の作品賞及び監督賞にはノミネートされず、批判の声もあったほど。そんなポール・トーマス・アンダーソンが賞レースではライバルだった『ハッシュパピー バスタブ島の少女』(公開中)を絶賛している。

異例の低予算で作られた『ハッシュパピー バスタブ島の少女』は第65回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品され、何とカメラ・ドール、国際批評家連盟賞、若者の視点賞、エキュメニカル審査員賞の4冠を獲得、その勢いのまま各賞レースで次々とノミネートの快進撃。第85回アカデミー賞では『ザ・マスター』が果たせなかった、作品賞と監督賞を含む4部門でノミネートされるなど、大きなサプライズとなった。

ポール・トーマス・アンダーソン監督は次のようにコメントしている。「2012年(アメリカでの公開年)の映画をランク付けするならば、『ハッシュパピー バスタブ島の少女』が間違いなく今年のベストだ。ローバジェットで無名の役者を起用したベン・ザイトリンは新人監督でありながら、未だかつて見たこともない世界を作り上げた。これはとても評価すべきことだし、今年の映画界の最大の成功と言っても過言ではないよ」と。

無名の役者の一人が、史上最年少9歳で第85回アカデミー主演女優賞にノミネートされたクヮヴェンジャネ・ウォレスだ。撮影当時は6歳、もちろん演技未経験だった。3月に本作プロモーションで初来日を果たしたクヮヴェンジャネは、「私がイメージする豚はピンクだったけど、今回は黒で気持ち悪かったわ」「(大粒の涙を流すシーンは)おじいちゃんが亡くなった時のことを思い出して泣いたわ。でも、それじゃ足りないと言われて、監督やスタッフの人たちが、自分たちに起きた悲しい出来事を話してくれて、それを聞いからようやくあの涙になったの」など、本作にまつわる色々なエピソードを語ってくれた。

また、本作は日本でも評論家人が選ぶGW映画特集や映画マニアが選ぶ注目作品などの企画で、『リンカーン』(公開中)や『舟を編む』(公開中)を上回る高い評価を獲得している。「父娘の絆と幻想的な野獣の佇まいに胸を鷲づかみにされた」「生にあふれた映画だった。こんなに心を揺さぶられて泣いた映画は今までなかった」「圧倒されました。今年度マイベスト暫定一位」「天才役者と天才監督の誕生を1本の映画で同時に拝める!」「大感動。剛健、頑強、大轟音の賛歌!素晴らしいです、これ!」など、twitterやfacebookで次々と感想が投稿されている。

GWも後半戦。たくさんの映画が公開されているが、是非その一本に本作『ハッシュパピー バスタブ島の少女』も加えてもらいたい。残念ながら現時点(5月2日)で、公開劇場は15館と少ないが、順次拡大されていくので、お近くの劇場で公開された際には迷わず選んでいただきたい。【Movie Walker】

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