現地メディアの星取表で高評価!釜山国際映画祭で話題を集めた日本映画とは?
10月3日に幕を開けたアジア最大級の国際映画祭、釜山国際映画祭が間もなく閉幕を迎えようとしている。現地メディアからも、大勢のアジアスターと共に、訪韓した日本人キャストたちへの熱視線が集中。中でも注目したいのが、同祭のメインプログラムとなるガラプレゼンテーション(Gala Presentation)部門の『許されざる者』(公開中)と、唯一のコンペティションプログラムであるニューカレンツ(New Currents)部門に出品された『ゆるせない、逢いたい』(11月16日公開)だ。
世界70か国の地域から300本を超える作品が一堂に集まり、11部門に分かれ上映される同祭。日本勢では、『そして父になる』(公開中)の福山雅治、『もらとりあむタマ子』(11月23日公開)の前田敦子、日韓合作映画『ゲノムハザード ある天才科学者の5日間』(14年1月24日公開)の西島秀俊らが参加し、舞台挨拶やティーチイン、記者会見に臨んだ。特に、世界の映画監督たちの新作や話題作を紹介するガラプレゼンテーション部門に出品された『許されざる者』への注目度は高く、上映時には800人超の観客が詰めかけた。舞台挨拶にも登壇した渡辺謙、柳楽優弥、李相日監督は、会期中、現地会場で発行するデイリーのThe Hollywood Reporter誌の表紙を飾るなど、その姿を目に焼き付けた現地関係者は多いことだろう。
また、11か国・12作品が上映されるニューカレンツ(新しい波)部門には、日本から新鋭・金井純一監督の『ゆるせない、逢いたい』が出品。上映後に行われた質疑応答には、金井監督と、主演の柳楽優弥が登壇した。知り合い同士の性的被害“デートレイプ”を題材にした本作への注目度の高さからか、主人公2人の心理描写への質問が続出。加害者となる隆太郎を演じた柳楽は、「隆太郎は、表現がすごく不器用で、彼女のことを想いすぎて事件に至ったとは思いますが、ただ、それだけでもない。そういう理由が明確にできなけど、強い想いを表現したいと思って演じました」と、役作りへの複雑な感情についてコメントしていた。
なお、10月12日(土)の閉幕に際し、ニューカレンツ部門の受賞結果も同日に発表予定。韓国の映画誌CINE21に掲載された同部門の星取表では、他作品の評が割れるなか、『ゆるせない、逢いたい』はオール4の高評価を獲得している。同部門の審査員には、青山真治監督も含まれているが、結果はどうでるのだろうか?まずはその続報が気になるところだ。【トライワークス】