“原点回帰”の「トリック」最終作!初期シリーズとの共通点&暴かれていない謎って?

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“原点回帰”の「トリック」最終作!初期シリーズとの共通点&暴かれていない謎って?

2000年にスタートした「トリック」が、『トリック劇場版 ラストステージ』(公開中)をもって14年間の幕を閉じる。ドラマ時代から牽引してきた堤幸彦監督が、今回の映画は“原点回帰”と話しているように、初期の「トリック」を想起させる部分が多数登場するほか、これまで明かされなかった謎にも迫る。鑑賞前に抑えておきたい“トリック心”をくすぐるポイントをご紹介しよう。

まずは、初期の共通項としてわかりやすいのは、“ビッグマザー”の存在。ドラマの第1シリーズの「母之泉篇」に出てくる教祖のことで、これまでのインチキ霊能力者と比べても、その力は本物に近いとされている。劇中、“ビッグマザー”本人か、赤の他人なのかは不明だが、至る所で目に触れることは確か。また、彼女の存在意外にも、このエピソードに関連する展開も待っているので、鑑賞前に復習しておくのアリだ。公開に際して「母之泉篇」がソフト化されることでも、この人物&物語が「トリック」に欠かせないのは間違いない。

続いて、最大の謎(?)と言えるのが山田奈緒子(仲間由紀恵)と上田次郎(阿部寛)の関係だ。恋仲になるようでならない、どっちつかずの2人だが、今回は最後とあって彼らにも進展が!それを表すポイントは“洞窟”と“ハリー・フーディーニ”。洞窟においてはクライマックスの奈緒子に注目…で留めておくが、「トリック」らしい粋な計らいなのは、物語の冒頭で紹介される奇術師フーディーニの逸話だ。毎度お馴染みではあるが、今回は2人の関係性を示す重要なエピソードとも言えそうなので、注意深く聞いておこう。

そして、必ず抑えておかなければならないのは、奈緒子の出生の秘密。シャーマンの血を引く母の里見(野際陽子)と、天才マジシャンの父との間に生まれた奈緒子。母の血を引き継ぎ不思議な力を持っているようなのだが、これまでその力は明確に発揮してはいない。彼女の出生の秘密が本物の霊能力者はいるのか?という本来のテーマに繋がっていくので、最後まで奈緒子の活躍から目が離せない。

このほかにも些細なことだが、ドラマのスタート時と季節が同じ、鬼束ちひろが歌うエンディングテーマ「月光」、矢部謙三(生瀬勝久)の元祖相方…など、自然と「トリック」の原点を感じさせる箇所が盛りだくさん。ファンにはファイナルとして、初めて触れる人には入門編として、どちらの立場でも堪能できる『トリック劇場版 ラストステージ』。その集大成をじっくり味わってほしい。【トライワークス】

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