村上虹郎と村上淳の親子共演、「親の七光りではない」と河瀬監督が発言
第67回カンヌ国際映画祭コンぺティション部門に正式出品された河瀬直美監督『2つ目の窓』の初日舞台挨拶が、7月26日にテアトル新宿で開催された。村上虹郎、吉永淳、松田美由紀、渡辺真起子、村上淳、て河瀬直美、監督が登壇。村上淳と、その長男の村上虹郎との親子共演も話題となった本作。河瀬監督はキャスティングについて「村上淳とUAと子供だから、(主人公)界人役にしたわけではございません。親の七光りでも何でもない。奄美大島に負けない存在感からです」と、キッパリ語った。
河瀬監督は「私ごとながら、少し前に、この世につなぎとめてくれた育ての母がこの世を去りました。それで自分のルーツである奄美大島、人々が生と死の間を軽やかに生きているこの島を心のより所に、製作を進めて参りました。この世界は、私たちが真摯に物事に向き合っていれば大丈夫なんだという思いで向かいました」と、本作に懸けた思いを吐露。
本作の主演を務めた村上虹郎は「母UAは、最初、僕がやりたいと言った時、ものすごく反対したんです。でも、反対してくれたのは、僕のことを本当に考えてくれたから。母は、次の回に見にきてくれます」と語った後、口ごもると、河瀬監督が「とうちゃん、フォロー!」と声をかける。父・村上淳は「補足すると、僕は唯一、猛プッシュしました。それが愛です」と発言。
また、河瀬監督は、村上虹郎について「打たれ強いです。なぜならこの2人の子供だから」と言うと、村上淳は「違う。僕、ガラスですよ」と突っ込む。虹郎も「基本的には母親です」と言いながら「今は、河瀬さん、(渡辺)真起子さん、(松田)美由紀さん、UA含め、4人の母がいます。振りきって自由になりたいです」とコメントし、会場の笑いを取った。
『2つ目の窓』は、奄美大島を舞台に、高校生の男女の初恋と家族の絆を描く人間ドラマ。ヒロインを演じた新星・吉永淳のみずみずしい存在感も出色。河瀬監督は「世界で堂々と胸を張って表現をすることができる、日本を代表する俳優陣です。太鼓判を押したい」と、自信を持ってアピールし、舞台挨拶を締めくくった。【取材・文/山崎伸子】