北野武監督とティム・バートン監督、東京国際映画祭の新設“SAMURAI賞”を受賞
第27回東京国際映画祭のラインナップ発表会が9月30日に虎ノ門ヒルズで行われ、今年の映画祭の“顔”となるフェスティバル・ミューズに就任した中谷美紀、コンペティション部門作品に選出された『紙の月』の吉田大八監督らが登壇。中谷は「映画、日本、東京を愛する者として何か貢献できれば」と意欲を語った。
東京グランプリを競うコンペティション部門には、92の国から1373の作品が集った。矢田部吉彦プログラミング・ディレクターは「傾向としては、“追いつめられる人々”の映画」とコメント。「“明日をどう生きるか”というテーマが通底していると思う」と語った。また、コンペティション国際審査員長は、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(公開中)のジェームズ・ガン監督が務め、日本からは審査委員として、お笑い芸人で映画監督の品川ヒロシが参加するという。
コンペティション部門に日本から唯一、選出されたのは、宮沢りえ主演で平凡な主婦が起こした巨額横領事件の顛末を描くヒューマン・サスペンス『紙の月』だ。吉田監督は「勝負ごとは嫌いじゃないのでワクワクしている」とニッコリ。宮沢にとって7年ぶりの主演映画となったが「彼女の様々な表情の変化は、想像を超えたものだった。毎日それを目の当たりにすることは、監督としても感動的な経験だった」と宮沢の女優としての存在感に刺激を受けることも多かった様子だ。
来日組をはじめ、豪華ゲスト陣の登場も楽しみなのが特別招待部門。この日は、オープニング作品『ベイマックス』から製作総指揮のジョン・ラセター、『エクスペンダブル3 ワールドミッション』から俳優のドルフ・ラングレンとケラン・ラッツ、『天才スピヴェット』からジャン=ピエール・ジュネ監督らの来日決定が伝えられた。
また、“SAMURAI(サムライ)賞”の新設も発表された。革新的な映画を世界へ発信し続けてきた映画人の功績を称えるもので、第1回“SAMURAI賞”には、北野武監督と、ティム・バートン監督に贈られることが決定。北野監督は、受賞記念のトークイベントも実施するという。第27回東京国際映画祭は、10月23日(木)から10月31日(金)まで開催。【取材・文/成田おり枝】