有村架純を助けてくれる存在とは?
映画やドラマにと出演作が相次ぎ、今最もホットな実力派若手女優のひとり、有村架純。『映画 ビリギャル』(5月1日公開)では、なんと金髪&ミニスカ姿でギャル役にチャレンジ!次々に新たな扉を開いている。ひとりの女の子が弾けるような笑顔で困難を乗り越えてゆく本作。有村を直撃すると、その清々しさが映画とピタリと重なった。
本作は、学年ビリのギャルが慶應大学に現役合格を目指す実話をつづった「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」をもとに、不可能を可能にしてしまう女の子・さやかと、彼女の家族、仲間を描く物語。
演じたさやかに「共感できる部分があった」と有村。「私もずっと女優になりたいと思ってきて、オーディションも受けてきて。でもなかなかうまくいかなくて、やる気を失ってしまったこともあるんです。さやかが受験に悩んでくじけそうになったときは、そのときの経験を思い返しながら演じていました」。
「女優への夢を諦めようと思ったこともある」と告白する。「高校二年生の秋には、大学に進学するかどうかも決めなければいけない時期になって。もし女優になるという夢が叶って、大学を辞めるとなったらその費用ももったいないじゃないですか。私にとっては、女優になるか、大学に進学するか。その二つの選択肢しかなかったんです。大学に行きながら女優をやるという考えはありませんでした」。女優を目指すなら、女優一本で行く道を進みたい。まっすぐな彼女らしい考え方だ。
続けて、「なので、『もうこれで最後にしよう』と思ってオーディションを受けたんです」と振り返る。「これがダメだったら、潔く諦める。実はそう思って受けたオーディションに合格して、今こうやってお仕事ができているんです。何がどうなるかわからないですよね。思い切って飛び込んでみて本当によかったと思います」。
あらゆる役柄にトライし、「今、お芝居をすることが本当に楽しい」と強い眼差しを見せる。金髪ギャルのさやか役も「さやかがとにかく、なんでも楽しんでやろうという姿勢の女の子で。スケジュールもタイトで、撮影がお休みの日も別の作品の撮影が入っていたりして体力的にもキツかったんですが、さやかのそういう姿勢に、私自身がすごく背中を押されていました。『何事も楽しむのが一番なんだ』って」。
「ゼッタイ無理」を叶える役柄にちなみ、「ゼッタイ無理」を実現した経験を聞いてみると、「舞台ですね!」と、2014年秋に主演として初舞台を踏んだ「ジャンヌ・ダルク」だと即答。「殺陣もやったことがないし、初めてのことだらけ。声を張って人前で生のお芝居を見てもらうことは、スリルもあってドキドキでした」。
稽古から楽日までの約3か月を通して、「変わりました。強くなったと思います」とにっこり。「だんだんと膝に水が溜まってきて、膝が痛くなってしまったりもして!公演期間の中盤では、自分自身で振り絞って演じている感じがあったので、みんなでそれを乗り越えられたというのは、すごく達成感がありました。生の反応が返ってくるということも気持ちよかったし、何より『やりきった』ということが、自信になったと思います」。
「“忙しい”の基準がわからなくて(笑)。もっといろんな役を演じてみたいという気持ちや、この仕事が楽しいという気持ちの方が大きいです」と、充実感に満ち溢れた姿がまぶしいほど。劇中での主人公は、塾の先生との出会いを通して大きく成長していくが、芸能界で助けてくれる“先生”のような存在はいるだろうか?
「戸田恵梨香さんをはじめ、事務所の先輩にはいつも助けてもらっています。役作りのことでも私生活でも、何かわからなくなってしまったときには、相談したりして。やっぱりみんな通ってきている道だと思うので、共感してもらえることがたくさんあるし、同じ道を通ってきている分、掛けてくれる言葉もすごく素直に受け止められるんです」。
ド派手なギャルメイクを施した姿を見たときは、「なんじゃこれ!」と自分で笑ってしまったとか。キュートな笑顔の中に限りない可能性を感じさせる女優・有村架純。『映画 ビリギャル』もまさに、ワクワクするような可能性と、グッと胸を熱くする親子愛・友情を感じさせてくれる作品と自信を持ってオススメしたい。【取材・文/成田おり枝】
1993年2月13日生まれ、兵庫県出身。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」でブレイクし、『思い出のマーニー』(14)では声優に挑戦。
現在は4月よりスタートしたドラマ「ようこそ、わが家へ」(フジテレビ)に出演中。2016年には映画『アイアムアヒーロー』の公開が控える。
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