深津絵里&浅野忠信、『岸辺の旅』カンヌの反応に感激!

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深津絵里&浅野忠信、『岸辺の旅』カンヌの反応に感激!

現在開催中の第68回カンヌ国際映画祭、公式上映部門の「ある視点」二本目の日本作品『岸辺の旅』(秋公開)が上映された。上映後の会見に登場した黒沢清監督と主演の深津絵里と浅野忠信は、会場の反応に心を動かされた様子を語ってくれた。

「素直にうれしいです。5分くらいのスタンディングオーベーションというのはお約束みたいなものなんですが、上映後のロビーにかなりの人が残っていて僕らを取り囲んでまた拍手をしてくれたんです。これは本物だな、と思いました」と黒沢監督。

「今までにはなかったことで、この『ある視点』でよかったなと思いましたね。観客の方々も“こんな視点もありだな”と思いながら見てくれていたのではないかな。コンペだと、何言われるかわからないけれど」と観客の反応に満足しつつ語った。

初めての黒沢作品、初めてのカンヌとなる深津絵里は「撮影中も夢のような経験でしたが、それが続いているようです。監督には感謝しています。お客様の拍手も温かいなと感じました。みなさん黒沢作品を待ち望んでいたのではないでしょうか。何かこう、感情がジワ~ッとしみていっていると感じました」と喜びを明かした。

『アカルイミライ』(02)で黒沢監督とのカンヌは経験済の浅野忠信にとっても、今回は格別な上映だったようだ。「上映後に映画祭の人と話したら『プレスの人も気に入っている』と言ってくれて。また黒沢監督とカンヌに来られたのもうれしいけれど、お客さんたちに受け入れてもらえ、一生懸命やったことが祝福されたのだなと愛が伝わったんだなと、頭の中に浮かんでいました」と感無量の様子。

海外で人気の高い黒沢監督。本作はフランスとの合作である。「合作だから、海外配給されるから、といってフランス人にわかりやすいように、彼らがどう見るかなどとは考えずに作っています。経験的に言って、幽霊とかスーパーナチュラルなことは絶対信じないというんですよ、フランス人に聞くと。でも、僕の作ったホラーを見せると、これがやたら怖がるんだな。感覚は違うけれど、特にここに来ている人たちはどんな映画も楽しんでみようという人たちなので心配はしていません」

さらに監督は、「海外のプレスの反応はこれからですが、これまで受けた取材で『メロドラマですね』と言った記者がいました。“メロディ・ドラマ”なんだとすれば、この作品はたしかにメロドラマなんです。50年代のアメリカ映画のダグラス・サーク(メロドラマの巨匠監督)の雰囲気が欲しくて、音楽の参考にしました」とも明かした。【シネマアナリスト/まつかわゆま】

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