本木雅弘、昭和天皇役で「賛否両論を受けるつもり」
『駆込み女と駆出し男』(公開中)の原田眞人監督が手掛けた反戦映画『日本のいちばん長い日』(8月8日公開)の完成披露試写会が7月15日に、丸の内ピカデリー1で開催。役所広司、本木雅弘、松坂桃李、原田眞人監督がレッドカーペットセレモニーと舞台挨拶に登壇した。原田監督は「いま、政治がこういう流れになり、タイミング的には良い時期の公開になったなと。8月に封切られるってことにも、歴史的な価値を感じています」と感慨深い表情を見せた。
役所は「本作は岡本喜八監督がずいぶん前に映画化されていますが、今回特に違うのは、原田監督によるスピード感と、昭和天皇が堂々と姿を現しているところです。本木さんが素晴らしい昭和天皇を演じています。映画で昭和天皇を見られるってことはほとんどないので、見どころです」と力強く語った。
本木は「賛否両論を受けるつもりでいます。早く公開されて、楽になりたい」と本音を告白。また、原田監督には賛辞を惜しまない。「群衆をまとめる力がある方。それぞれの持ち味を上手に引き出してくれる。自由と責任の与え方が上手だなと。自分は目の前のことを積み上げていくだけでした」。
原田組の常連である役所は、原田監督について「怒る回数が少なくなった気がします。でも、松坂さんは違うと言うんです」と松坂にふる。松坂は「僕は、原田さんの現場は今回が初めてでしたが、初日から監督の声がすごく飛び交っていました。でも、その緊張感が僕は居心地が良かったです」と笑顔を見せる。
役所が「下手だったから怒られたんじゃないの?」と突っ込むと、原田監督は「桃李には一度も怒鳴ってない」とのこと。松坂が「でも僕に怒鳴っているんじゃないかと思ってやっていました」と言うと、原田監督は「その通り」とニヤリとして、笑いを取った。
原作は、昭和史研究の第一人者・半藤一利の傑作ノンフィクション。太平洋戦争末期に、終戦の舞台裏で身を挺して闘った人々の物語となっている。原田監督は「民意が国民を救うということをもう一度考えてほしい。日本はどこから来て、どこへ行くのか。ひとりひとりが考えて行動に移してほしい」と声高に訴えた。【取材・文/山崎伸子】