藤原竜也&有村架純、もし役者にならなかったら何をしていた?

インタビュー

藤原竜也&有村架純、もし役者にならなかったら何をしていた?

ストイックに役者業に打ち込んでいる二人。そんな印象のある藤原竜也と有村架純が、人気コミックを実写映画化した『僕だけがいない街』(3月19日公開)で初共演を果たした。「あの時こうしていれば…」と考えさせられるストーリーにちなみ、二人に「もし役者じゃなかったら、どんな道を進んでいた?」と聞いてみた。

本作は、“リバイバル”という“時間が巻き戻る”不思議な現象に巻き込まれた主人公の悟が、2006年の現在と、1988年の過去を行き来しながら、連続誘拐殺人事件の謎と真犯人に迫るミステリー。藤原が、事件を追いかけるうちに、自分に向き合い成長していく主人公・悟役を。有村が、悟をまっすぐに信じるバイト仲間の愛梨役を演じる。

そのときそのときを懸命に生きることの大切さを伝える、メッセージ性の強い役どころとなったが、藤原は、「今回は、自分の心情や内面的な言葉をモノローグで語ることが多かったので、僕としても心に残った言葉がたくさんありました」と振り返る。なかでも「母親の存在」を噛みしめるきっかけとなったそう。「母親のことをきっかけに始まるストーリーでもあるので、いつの時代でも母親というのは大事な存在なんだなとすごく感じましたね」

有村は演じた愛梨役について「相手に対して自分の気持ちを素直に表現する女の子。本当にまっすぐな女の子なので、その愛梨の魅力を壊したくないと思って演じていました」とコメント。「愛梨の言う、『言葉って、口に出して言っていると本当になる気がする』というのはすごく素敵なセリフだし、私自身すごく共感しながら、悟さんに言っていたと思います」と、共感できるセリフも多かったという。

愛梨の信じる“言霊(ことだま)”は、有村も大いに信じているとか。「口に出して言っていると、不思議なことにそれが実際に叶っていく。女優さんになりたいというのも口に出して言っていたし、声のお仕事ができたらいいなと言っていたら、ジブリのオーディション(『思い出のマーニー』)に受かることができたり、ナレーションのお仕事をいただけるようになったりして。そういうことが起こると、言霊って本当にあるんだなと感じるので、私は目標や夢があると口に出して言うようにしているんです」。すると、藤原も「求めれば、引っ張れるっていうことはあるよね。そういう強い信念を持つことは、すごく大事だと思う」とうなずく。

時間を逆行しながら描かれるミステリーで、「あのときこうしていれば」「あの道を進んでいたら…」との思いが物語の大きな鍵を握る。次々と新たな作品にトライしている二人だが、もし、役者・女優の道を進んでいなかったら、どんな人生だったか想像することはできるだろうか?有村は「私は女優になりたいと思う前は、動物関係のお仕事がしたかったんです。トリマーや、ボランティア活動にも興味があったので、そちらの方向の学校に行っていたんじゃないかな」とにっこり。

藤原は「僕は『あぶない刑事』がすごい好きだったんです。毎日、友達とタカとユージのモノマネをしながら帰っていましたね(笑)。なので、私服警官になりたかった。あとは、西武ライオンズのショートを守るという夢があって」とたくさんの小さな頃の夢を楽しそうに思い出す。「違う道があったのかもしれないし、そればかりはわからない。でも今がとても楽しいんです」と充実の表情の藤原。有村も「今でも悩むこともいっぱいあります。でもそれ以上に楽しいなと思える。今の道が好きだからこそ、進んでいけるんだと思います」と目を輝かせる。

舞台となるのは、タイムリープを軸とした世界だが、そこには「今を生きる」という日常の大切さがたっぷりと込められた本作。熱と清々しさを持った役者・藤原竜也と有村架純との相性もバッチリだ。ぜひ劇場で、心揺さぶるメッセージを受け取ってほしい。【取材・文/成田おり枝】

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