小松菜奈の恋愛論「親友の元カレには身を引く」
『渇き。』(14)での鮮烈な女優デビュー以降、個性溢れるキャラクターを演じ分けてきた小松菜奈。dTVオリジナルドラマ「高台家の人々」で主演を務めている彼女を、撮影の真っ只中にインタビュー。この日、撮影で使用したレトロなワンピースで登場した小松からは、役づくりに試行錯誤しながらも、真剣に撮影に取り組む姿勢が伝わってきた。
本作の舞台は、映画『高台家の人々』(公開中)からさかのぼること30年前。若かりし頃の高台家の母・由布子と、高台家の父・茂正Jr.(通称:マサオ)が、出会い結ばれるまでのラブストーリーだ。
小松が扮するのは、映画で大地真央が演じた由布子の学生時代。超しっかり者のスポコン少女という役どころだ。「映画の世界観を大事にしつつも、そっちに引っ張られ過ぎないように撮影に臨んでいます。ただ、映画版の由布子と比べたときに『全然違う!』とならないように、凛とした雰囲気や、自分の意見をハッキリ言うところなど、キャラクターの“土台”は意識しています」。
一方、映画では高台家の次男・和正役だった間宮祥太朗が、dTVのドラマでは若き日のマサオ役も兼ね、一人二役に。映画のマサオは、市村正親が演じている。「間宮さんは、市村さんと撮影が一緒だったということもあって、マサオの細かい特徴も研究してきたそうなんです。口をポカンと開けていると、スタッフさんたちが『(マサオに)見える!』って反応していて…」と間宮の役作りについて絶賛。人一倍鈍感で、空気が読めないマサオを絶妙に体現した間宮を「真面目でストイック」と表現した。
そんな正反対の性格とも言える由布子とマサオの掛け合いで大切なのは、会話のテンポだと言う。「由布子みたいなハッキリ物事を言う人って、テンポが早いじゃないですか。監督からも『テンポ良く!』と言われて、手こずっています…。でも、私は焦りが顔に出ないタイプなので、常に堂々としている由布子の役柄には活かせているかもしれません」。
劇中では、親友の元カレであるマサオから猛アピールを受け、由布子は葛藤する。「もし親友が好きだった人を好きになってしまったら、私は身を引いてしまう…かな」と、小松は自分に置き換えて分析。「親友ってやっぱり特別じゃないですか。私は親友とは何でも話せる関係でいたいので、恋愛が原因で、そのコと仲が悪くなったりしたら嫌ですよね」と、自身の役柄に共感していた。
このドラマは、映画『高台家の人々』の公開同日となる本日6月4日より配信開始。連日撮影が続く中、本作への熱い想いを語った小松は、「ぜひドラマ版から見て欲しい!」と力説する。「映画は由布子とマサオの子どもたちの、人の気持ちが読める“テレパス”という能力が登場しますが、今回のdTVオリジナルドラマで描かれているのは、その能力を持たない由布子とマサオの純粋な愛。マサオと由布子の物語を先に見ておけば、より映画も楽しんでいただけるんじゃないかなと思います」。
dTVオリジナルドラマ「高台家の人々」は映像配信サービスdTVで独占配信中。【取材・文/トライワークス】