『バイオハザード』シリーズ成功のカギは夫婦愛!監督が語る、妻ミラ・ジョヴォヴィッチへの思い

インタビュー

『バイオハザード』シリーズ成功のカギは夫婦愛!監督が語る、妻ミラ・ジョヴォヴィッチへの思い

ミラ・ジョヴォヴィッチ主演のアクション超大作シリーズが、第6弾『バイオハザード:ザ・ファイナル』(12月23日公開)で遂に完結する!そこで、『バイオハザード』シリーズを妻のミラと二人三脚で手がけてきたポール・W・S・アンダーソン監督にインタビュー。

『バイオハザード』は、ミラ演じる美しきヒロイン・アリスと、世界をアンデッド(=ゾンビ)化した元凶アンブレラ社との戦いを描く人気アクションシリーズ。本作で、主人公アリスと共に最後の戦いを挑む女戦士役として、ローラがハリウッドデビューを果たしたことでも話題だ。

今作がシリーズ完結編となるが、その全貌はいまだベールに包まれている。「物語でいえば、ハイブとラクーンシティ、つまり1作目の地に戻る部分と、アリスが自分の正体を遂に知るという点がポイントになりました」。

『バイオハザード』には、自分のキャリアにおいて、何か素晴らしい記念碑的なシリーズ作品を残したいという想いを込めたと言う監督。「ミラについても、同じシリーズの主役を6本も続けた女優さんなんてなかなかいませんし。僕と彼女が一緒に作っているというのもこのシリーズが成功した理由ではないかと思います。僕は脚本も書くし、監督もするし、ミラという女優と仕事をすることも大好きで、一緒に楽しんでいるので作り続けることができたのだと思います。ミラは僕の監督作には7本出演してもらっていますが、間違いなく僕のミューズです。他の人とも映画を撮るけれど、ミラと再タッグを組むたびに新たにエネルギーを感じるし、新しいチャレンジがあります」。

2002年に公開された1作目から14年かけて、本作でついに『バイオハザード』シリーズは完結を迎える。「1作目はドイツと日本の出資だけで作られ、アメリカでの公開も実際に撮影が終わってからやっと決まるというくらいで、成功への期待も非常に低いものでした。僕自身、1作目ではギャランティが決まらないうちに脚本をすべて書き終え、その後で脚本代を決めたんです。監督料も後からもらうようにしています。ミラを含め、クリエイティブな人々が純粋に作りあげたシリーズなのです」。

今回は日本からローラが戦士コバルト役で参加しているが、その起用理由についても気になるところだ。「『バイオハザード』シリーズにはそもそものDNAに日本というものが色濃くありますので、映画を作ってきた中でも日本との絆を大切にしてきました。『バイオハザードIV アフターライフ』(10)でも、中島美嘉さんの渋谷でのシーンで、その絆をより強めることができたと思っています。今回の作品は北米が舞台になっていますが、日本とのリンクは続けたいと思って、ローラさんを起用することになりました」。

でも、ローラはアフリカのロケ地を訪れた時に、きっとショックを受けただろうと監督は言う。「中島さんのシーンは、白い空間の中でおしゃれにスタイリングをされた衣装に身を包み、ゾンビにしては髪型も最高にキマっていました(笑)。綺麗な環境の中で撮影ができたんですが、ローラさんが来てくれたアフリカの地はスタジオのセットではなく、ロケーションで土や埃にまみれながら、血塗られた大きな刀を持ってもらっての撮影でした。最初は驚いたと思うのですが、仕事ぶりは最高でしたね。文句1つ言わず、乗り越えてくれました。アクションシーンもかなり良いシーンがあるのでお楽しみに!」

今回3D映画を、敢えてコンバージョン(2Dカメラで撮影して編集で3D作品にする方式)で撮影したのはなぜなのか?「これまで僕は4本の3D映画をつくり、今回が5本目ですが、今回初めてコンバージョンに挑戦しました。それを選択したのは、コンバージョンのレベルが素晴らしいものになってきているからです。3Dカメラでの撮影は、カメラが大きいのでカメラワークに制限が出てしまうことがありますが、2Dカメラならより動きのある画を様々なアングルで撮ることができ、後から質の良い3Dに変換できるんです。これまでコンバージョンであまり良いものができないと言われていたのは技術のレベルだけでなく、3Dのイメージで撮らずに2Dカメラで撮影したものをコンバージョンしていたからでしょう。今作は、3D作品としても革新的な作品になると思っています」。

最後に、監督として夫として、ミラ・ジョヴォヴィッチにかける言葉について聞いてみた。「次は何をしようか?と声をかけようかな」と笑う監督。2人の素晴らしいパートナーシップでつむがれたシリーズの集大成『バイオハザード:ザ・ファイナル』はいよいよこの冬にお目見えする。【取材・文/山崎伸子】

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