黒沢清監督と主演俳優がびっくり!初の海外進出作がトロント映画祭で「笑いが起きた」

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黒沢清監督と主演俳優がびっくり!初の海外進出作がトロント映画祭で「笑いが起きた」

オール外国人キャスト、全編フランス語で撮り上げた黒沢清監督初の海外進出監督作『ダゲレオタイプの女』(10月15日公開)で、主演のタハール・ラヒムが初来日し、黒沢清監督と共に都内で行われた来日記者会見に登壇した。第41回トロント国際映画祭プラットフォーム部門に正式出品された本作。ワールドプレミア上映や記者会見に参加した2人は、現地の反応について「たぶん良いことだと信じたいんですが、意外にも笑いが起こったんです」と驚いていた。

「一般の方々に見せるのは初めてで緊張しました」という黒沢監督。「本作で笑うような怖いところはないはずだと思っていたのですが、意外とあちこちで笑いが起こっていて驚きました。でもそれは好意的なんだろうと思います。映画のなかの登場人物の感情と共に揺れ動いてくれたんだろうなと」。

タハールも「北米では怖くて笑うということがあると思うんです。でも僕もなぜ観客の人が笑っているんだろうと思いました」とうなずく。「私もこれは良いサインだと思いました。なぜならその後の会見で的を射た質問が上がったので。観客はこの映画のことを理解してくれたんだろうなと思います」。

また、タハールは「黒沢清監督に敬意を表したい。彼のもっている技術は素晴らしい」と絶賛する。黒沢監督もタハールの演技力について「予想していたよりも遥かに精密で力強い表現者でした。訓練されているし、元々の才能もある。本当に驚いておりました」と賛辞を送った。

最後に黒沢監督は「フランス映画にこんな作品もあるんだと驚きながら観ていただきたいし、なるほどフランス映画だと納得しながら観ていただいてもいい。日本人が撮ったとかはどうでもいいことで、最新のフランス映画だと観てもらえればとても幸せです」とアピールした。

『ダゲレオタイプの女』は、世界最古の写真撮影方法“ダゲレオタイプ”を軸に、芸術にのめり込む写真家の父の犠牲になる娘と、写真家に雇われた青年との悲劇的な恋を描くサスペンススリラー。【取材・文/山崎伸子】

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