ミラ・ジョヴォヴィッチ、『バイオハザード』の監督は「生涯の恋人」

インタビュー

ミラ・ジョヴォヴィッチ、『バイオハザード』の監督は「生涯の恋人」

女優ミラ・ジョヴォヴィッチが初めて『バイオハザード』(02)を演じてから早15年、遂に映画化第6弾『バイオハザード:ザ・ファイナル』(12月23日公開)で、人気シリーズが終止符を打つことになった。ミラにインタビューし、完結編に込めた熱い思いを語ってもらった。

シリーズが幕を閉じることについて「疑いもなく寂しい気持ちね」と感傷的な思いを口にするミラ。「私は過去15年間、アリス役を演じてきたけど、『バイオハザード』シリーズを作っていくことが大好きだったわ。ワクワクして、とてもエモーショナルな気分だった」。

完結編を手掛けたのは、これまで妻のミラと共に『バイオハザード』シリーズに携わってきた、公私共に最良のパートナーであるポール・W・S・アンダーソン監督だ。「この作品を通して夫であるポールに出会い、2人の子どもに恵まれたし、プライベートでも大きな変化が起こったわ。私にとって本当に素晴らしい旅だった。だから全てが終わりになるのを見るのはとても辛いの。もちろん『さようなら』と言うのは嫌よね」。

ミラにとって、ポール・W・S・アンダーソン監督はどういう存在なのだろうか。「彼は私の生涯の恋人だし、私にとって一番大きなインスピレーションを与えてくれる人でもあるわ。ポールの職業倫理や、どれだけエネルギーと情熱をプロジェクトに注いでいるかを見ると良い刺激になるし、奮起させてもらえるの。すごい夫を持てたことを本当に幸運だと思う」。

本作では、ミラ演じるアリスと、人間をアンデッド化するT-ウィルスを開発したアンブレラ社との最終決戦が繰り広げられる。「本作では、アリスが誰なのかということや、彼女の過去、アンブレラ社の秘密について多くの疑問に答えているとはっきり感じるわ。アリスは初めて人間として自分自身に安心できたと思うの。彼女はいつだって生存者たちが逃げる原因となった事故に責任を感じていたから。アリスは全6作品を通してとてもエモーショナルな旅をしてきて、本作でようやく自分自身を本当に理解できたの」。

ローラがアリスと共に戦う女戦士コバルト役でハリウッドデビューを果たしている。ミラは共演したローラのアクションシーンについて賛辞を惜しまない。「彼女は素晴らしいわ。彼女はガンを持って戦うのが初めてだったけど最高よ。間違いなくタフな女性なのに、実際の彼女はそう見えないし。とっても小さくて超美人だし女性的。でも、彼女が怒っている時には会いたくないわね」。

『バイオハザード』は日本のゲームソフトの映画化で、日本とは切っても切れない関係性がある。日本については「私の大好きな国よ」と親日ぶりを語る。「私が7歳の時、母親が日本食レストランに連れて行ってくれたことが最初に日本の文化に触れた経験よ。一歩足を踏み入れた瞬間、水の音が聞こえ、見せ方などが完璧だった。箸が石の上に置かれ、寿司が運ばれてくる様など、あらゆるものがとても芸術的で美しかった。それから日本の文化にすっかり魅了されたの。7歳の子どもにとってはリアルに見えなくて玩具のようだったけど、こういう文化があると気がつくことはとてもショッキングな経験だった」。

続いて日本を訪れたのは、14歳の頃だったそうだ。「仕事で東京に行って、東京とその文化に恋したの。渋谷、六本木、秋葉原など違う場所に行くのが大好きよ。マーケットに行ってもあらゆるものが完璧だった。芸術的で美しく整頓されていて、それらは私を落ち着かせてくれたの。それ以来、私は日本に心を奪われているわ。面白いのが、レッドクイーン役の娘が私と東京に行き、家族で東京が大好きになったことよ。娘はこう言ったの。『私もプレミアで一緒に東京に行くわ。ダメだとは言わせないわよ。もし、学校があったとしても構わない。東京に連れて行ってくれなかったら許さないから』とね。娘は東京が大好き。下の子はまだ赤ちゃんだけど、大きくなったら日本が大好きになるわよ」。

ミラは日本のファンにこんなメッセージを送る。「『バイオハザード』のビデオゲームと映画シリーズの忠実な日本のファンの方全員に感謝しているわ。このシリーズを作る機会を何度も与えてくださったし。私たちは持てるかぎりの愛情、集中力、そしてエネルギーを捧げて最後の作品を作ったので、みなさんで興奮し怖がって観ていただきたいと願っているわ。みなさんに早く映画館で、人生の中での一番の絶叫マシーンというべき『バイオハザード:ザ・ファイナル』を体験してほしいものだわ」。【取材・文/山崎伸子】

関連作品