オダギリ ジョー
フジタツグハル
戦前のフランスを中心に活躍した日本人画家・藤田嗣治の波乱の生涯を描いた、オダギリジョー主演の人間ドラマ。“乳白色の肌”の裸婦像でエコール・ド・パリの寵児となるも、日本に帰国し、戦争協力画を描く事になる藤田の絵に向き合う真摯な姿勢を映し出す。監督は『泥の河』『死の棘』など数々の名作を手がけてきた小栗康平。
※結末の記載を含むものもあります。
単身フランスに渡り、1920年代に“乳白色の肌”をした裸婦像で絶賛を浴びるようになった日本人画家・藤田嗣治。ところが、第2次世界大戦が激化し、パリがドイツ軍の手に落ちそうになり、日本へ帰国する事に。数多くの“戦争協力画”を描き、日本美術界の重鎮にのぼりつめていき、5番目の妻・君代と疎開先の田舎で終戦を迎える。
フジタツグハル
キミヨ
ユキ
キキ
フェルナンド
カンジロウ
オバア
清六
監督、脚本、製作
製作
製作
音楽
撮影
照明
録音
美術
美術
SFX/VFXスーパーバイザー
特殊メイク
企画
[c]2015「FOUJITA」製作委員会/ユーロワイド [c]キネマ旬報社
前作「埋もれ木」は鑑賞していないため、「眠る男」以来となる小栗康平監督作品を鑑賞しました。正直言ってこの「藤田嗣治」という画家のことを知らなかったことと、内容がかなり難解だったので、内容についてコメントできることはありません。ただ、「死の棘」などで見せた全体的にどんよりと暗い映像をどこか神秘的に魅せる技法は健在で、個人的には小栗ワールドにハマることができました。また、後半、日本に戻ってからの映像がとてもきれいで、それだけで観る価値がある作品と思います。
小栗監督の静謐な世界に心を打たれました。とにかく、静かです。戦前のパリもそして日本も…。
その中で、画家の精神世界が描かれて行きます。そこにあるのは、己の力量に対する絶対的な信頼と人間に対するあくなき追求の姿勢でしょうね。そこをオダジョーは、うまく描いています。
今フランスは危機的状況にあります。願わくば、FOUJITAの絵が、再び彼らに力を与えますように…。